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【U-20W杯】最年少の浦和ユースGK鈴木彩艶がポーランドで掴んだチャンスと悔しさ

U-20日本代表で練習する浦和ユースのGK鈴木彩艶。写真:松尾祐希/(C)Yuki MATSUO

16歳の守護神候補が見据える先とは――。

 チーム最年少のGKはポーランドの地で貴重な経験を積んだ。

 高校2年生で16歳の鈴木彩艶(浦和レッズユース)は年齢的には一つ下の世代(次回のU-20ワールドカップの中心世代)にあたる。しかし谷晃生(ガンバ大阪)の負傷、大迫敬介(サンフレッチェ広島)の日本代表抜擢などもあったが、常にチェックをしていた影山雅永監督に買われて、先輩たちとともにチームに帯同した。

 出場機会は得られなかったものの、トレーニングでは機敏な動きを披露。左右に放たれるシュート練習では一本ずつ確実に食らいつく。「シュートのスピードが違うのでまだまだついていけていない。やっぱり(高校レベルとは)スピードが全然違う」と謙遜するが、ポテンシャルの高さを存分に見せつけていた。

 ガーナ人の父を持つ鈴木はチーム最年少の17歳で高校2年生。中学3年生だった2017年にもU-17ワールドカップに飛び級で選出され、早くから将来を嘱望されてきた。

 影山雅永監督が率いるU-20代表には一度も招集されていなかったが、チェックは常にされていた。そして世代的にひとつ下のカテゴリーのU-17日本代表の森山佳郎監督は「できるだけ上のレベルでチャレンジさせてあげたい選手。将来性が本当に豊か」と期待を寄せていた。

 突然の選出に本人も驚きを隠せずにいたが、若原智哉(京都サンガ)や茂木秀(セレッソ大阪)らと明るい表情で日々のトレーニングに励んだ。出場機会を得られなかったものの、ベンチから戦況を見守ったことは貴重な財産。「観て学ぶこと多いですし、好セーブしてくれるのは自分のことのように嬉しいです」と、先輩の活躍から多くを学んでいた。

 また、他国のGKから吸収した点も多いという。

「イタリアのGKは一つひとつの技術が高く、試合でその良さを出していた。きっと練習から試合を意識してやっているから」

 自身ももちろんそうしてきたつもりだが、練習の意図と狙いをより理解することの大切さを痛感した。

 鈴木は今秋のブラジルU-17ワールドカップ、そして2年後のU-20ワールドカップで、中心選手として期待される逸材だ。再び浦和ユースに戻り、今後どのような成長を遂げていくか楽しみだ。

取材・文:松尾祐希(フリーライター)

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