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【日本代表】南米選手権へ!森保監督が珍しく語気を強めて言った”本音”「目指しているのはこの相手のレベルではない」

エルサルバドル戦の先発メンバー。このうちコパ・アメリカに臨むのは冨安健洋のみ(16番)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

久保、安部、前田ら若手主体で南米の真剣勝負へ――。

[コパ・アメリカ GS①] 日本 – チリ/6月18日8:00(日本時間)/シーセロ・ポンペウ・デ・トレド競技場

 日本代表がコパ・アメリカの行われるブラジルに向けて出発した。選手たちは現地で4日間トレーニングを行い、17日(日本時間午前8時から)のチリ代表戦に臨む。

 この大会の直前に組まれたキリン・チャレンジカップ6月シリーズ、9日のエルサルバドル戦(〇2-0)のあとの記者会見で、森保一監督が珍しく強い口調で語るシーンがあった。

 指揮官の就任後、初めて3バックを採用して臨んだ2試合。トリニダード・トバゴ戦はスコアレスドローに終わったもののそこから修正を図り、GKと3バックの守備陣はメンバーを変更せずに連係を深めた。すると、そのストッパー二人(畠中槙之輔、冨安健洋)の縦パスが起点になって2ゴールが生まれるなど、成果も見られた。

「これまでやってこなかった3バックで、1試合目(トリニダード・トバゴ戦)よりもチームとして良い形を示し、勝利を掴もうと。この難しいトライに選手たちは前向きに粘り強くチャレンジしてくれました。3バックでも4バックでも、速攻と遅攻の基本的なところは変わらず、GKや最終ラインからしっかりビルドアップして、前線につなげるところで、最終ラインからのパスが起点となってゴールに結びついたことは評価したい。チームとしても引き続き、クオリティを上げていきたいと思います」

 ただ、指揮官は「この相手のレベルに満足はしていない」と珍しく強い口調で言い、改めて引き締めた。

「ゲーム中にあえて3バックから4バックに変更し、対応力を持ってチームとして戦おうと、選手たちには事前に伝えていました。選手たちは混乱せず、コミュニケーションを取りながら意思統一し、無失点に抑えてくれたことは良かったです」

 そして、指揮官は続けて言った。

「ただ、私たちが目指しているところは、今日の相手のレベルではありません。より高い技術、より高いインテンシティを備えた、そういったチームに勝っていけるように、さらに上を目指していきたいです」

 ほぼ地球の反対側から乗り込んできたエルサルバドルは、残念ながら歯応えのある相手とは言えなかった。もちろん、おそらく彼らのホームで戦えば、まるで違うチームになっていたはずだが。

 今度は日本がブラジルに乗り込み、南米の真剣勝負に身を置く。まずグループステージ、現地時間の17日にチリ代表、20日にウルグアイ、24日にエクアドルと対戦する。ベストメンバーを組み切れず、18歳の久保建英(FC東京)、19歳の大迫敬介(サンフレッチェ広島)、20歳の安部裕葵(鹿島アントラーズ)、21歳の前田大然(松本山雅FC)、22歳の三好康児(横浜F・マリノス)ら若手主体となっている。決してフルメンバーと言えないチーム構成から、ブラジル国内でも「B代表」と揶揄されている。

 ただ東京五輪であり、その先の時代を担うタレントが揃う。現状の日本代表も、欧州で中心としてプレーする選手が減っていることも影響してか、やや停滞感がある。突き上げを図るとともに、「五輪世代」から「A代表」へ突き抜けるためにも、インパクトを残したい。森保監督が目指すレベルもそこにある。

文:サカノワ編集グループ

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