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中村俊輔が模索する「自分の色の出し方」

横浜FCの中村俊輔。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

横浜FCで2試合途中出場。誰かに代わる役割か、あるいは――。

[J2 27節] 横浜FC 0-0 水戸/2019年8月10日/ニッパツ三ツ沢球技場

 横浜FCのMF中村俊輔が水戸ホーリーホック戦、スコアレスで迎えた試合終盤にアディショナルタイムを含めて約5分間プレーし、FKから決定的なチャンスも作り出した。試合は0-0で終わり横浜FCの連勝は「7」でストップしたが、8試合負けなしをキープ。チームとしての安定感のある戦いぶりを見せた。

 これでホームで2試合連続の途中出場。ピッチに立つ際の万雷の拍手が、横浜FCの「46番」への期待の大きさを物語っていた。

 中村は水戸との前回対戦をチェックして、この一戦に臨んだ。

「前回の水戸戦、俺はいなかったけれど松井をアンカーにした4-3-3にしていた(△1-1)。そこで田代が最終ラインに入ってから勝ち始めてきた。あとから入ってきた自分は、誰かの役割っぽくやるのか、それとも自分色に染めていくのか。そこで、『自分が』って、俺もそこまで無理にグイグイいこうとはしない。少しずつチームの助けになるようにやっていきたい。今日も出場は短時間だったけれど、助けたかった」

 誰かの代わりか、あるいは自分の色を出していくべきか――。新司令塔候補の葛藤がうかがえる。

「俺はこういうやり方だから合わせてくれよ、ではダメ。今ようやくハマってきて連勝もできてきている。それに、レアンドロ(・ドミンゲス)も戻ってくるので、あとは(斉藤)光毅とか若い選手も良いからね」

 チームの力になってきた。ただ、もっと還元していきたいとも感じてきている。言い換えると、41歳のレフティは横浜FCの選手個々の特徴を掴みながら、さらにストロングポイントを引き出せていけそうだという、期待を膨らませているようだった。

 その短時間でFKから決定機も作り出した。ゴールは近づいている。そして8月14日の天皇杯3回戦、横浜F・マリノスとの「横浜ダービー」に臨む。

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[取材・文:塚越始]
text by Hajime TSUKAKOSHI

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