久保への投資効果は?レアル移籍市場「8つのミス」をスペイン紙がレポート
久保建英。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
期待された「改革」は進まず。
スペイン紙『マルカ』は9月3日、スペインと欧州の舞台での王座奪還を目指すレアル・マドリーが「改革」を掲げて臨んだ「この夏の移籍市場の『8つの間違い(エラー)』」と題し、補強と放出で改善できなかったテーマについてレポートしている。RCDマジョルカに期限付き移籍した日本代表MF久保建英についても一言触れている。
同紙は次の8点を課題に挙げた。
1)改革は進まず
2)支出・投資が過剰
3)ミドルクラスの安い戦力を獲得しすぎ
4)ジダン監督の求める優先順位で補強が行われなかった(ポグバ獲得ならず)
5)余剰戦力の放出失敗(ガレス・ベイル、ハメス・ロドリゲスの残留)
6)ポジションバランスの悪さ(MFの不足)
7)カゼミーロのオプション不在
8)中心選手の衰え(世界一とは言えない)
レポートの中の(2)で、久保について触れている。
「白い巨人」はこれまでも莫大な収益を見込み、投資を行ってきた。今夏も約400億円という莫大な投資をしてきたが、「その真価は怪しい」と疑問符をつける。完全移籍での獲得は、アザール、ルカ・ヨヴィッチ、フェルランド・メンディ、ミリトン、ロドリゴと久保建英の計6人。果たしてその額に見合った補強ができたか、と疑問符をつけている。
そのメンバーの中では安価に見えるが、5年契約・年俸200万ユーロ(約2憶4000万万円)と言われる18歳の久保との契約内容も、レンタルで経験を積ませることになっただけに(1年目はBチームでのプレーを予定はしていたが)、やはり期待を込めた投資にあたる。
同紙は「将来性への先行投資の意味合いが強く、即効性のある補強こそが必要だった」と、即戦力の不足を嘆いている。不明瞭でもある”未来”に、あまりに賭けすぎているというのだ。
結果的に、開幕から昨季から引き続き多くの主力選手が起用されている。さらにベイルやハメス・ロドリゲス(現在は負傷中)の力も必要とされている状況である。
もっと補強を上手くできたのではないか? もっと強いチームにできて、ファンをワクワクさせることができたのではないか? 同紙はそんな指摘をしている。
プレミアリーグ盛隆の時代を迎えるなか、レアル・マドリードが以前のように移籍市場で完全に主導権を握ることができずにいるジレンマを抱えていることもうかがえる。果たして、既存戦力を超えて、突き抜けるような選手が出てくるのか。それがレアル再興への一歩にもなりそうだ。
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[文:サカノワ編集グループ]