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川崎撃破のイニエスタが喜びと安堵の笑顔「復帰戦の不安はあったけど、いいフィーリングだったよ」

神戸のイニエスタ。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

大﨑のゴールにつなげる正確なクロスを放つ。

[J1 27節] 川崎 1-2 神戸/2019年9月28日/等々力陸上競技場

 ヴィッセル神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが川崎フロンターレ戦、リーグ3試合ぶりの先発出場を果たし、83分までプレーして安井拓也と交代して2-1の勝利に貢献した。

 70分にはファーサイドへの正確なクロスからトーマス・フェルマーレンのヘッドに合わせ、そこから大﨑玲央のゴールをお膳立てした。酒井高徳との連係からの打開、西大伍への展開、そしてダビド・ビジャへのスルーパスなど――。神戸の背番号「8」が、あらゆる攻撃の起点となって機能した。

 試合後、イニエスタはこの1勝の持つ大きな意味を噛み締めていた。

「難しい試合になるとは覚悟していました。川崎は同じ選手が長年に渡って一緒にプレーしてきた選手が揃っています。自分たちのサッカーを築いているチームであり、そんな相手がボールを持っている時でも、こちらは組織的に戦えました。プレッシングも効果的で、前半の終盤にカウンターから決められたことは、大きな自信になりました。本当にこのような難しい状況と言えるスタジアムで、勝利できたことは、チームにとっても大きなこと。これからまだ残っている試合、自信をつけていく糧にできるはずです」

 試合後にはイニエスタから大きな笑顔がこぼれた。J1残留に向けても貴重な勝点3になった。

「個人的には2試合欠場していて、久しぶりにプレーできたことで喜びもひとしおでした。来週も広島との対戦が待っています。下位チームとの差を広げ、上位に進んでいくためにもこの1勝は自信になるはずです」

 セットプレーも担当し、チームのあらゆる攻撃のリズムをイニエスタから作り出した。自身にとっても、コンディション的に”ポジティブ”な手応えを得られたという。

「何よりもまずチームの勝利が一番嬉しいこと。プレーできた以上に、勝てたことを喜んでいます。ただ、個人的にも3試合ぶりの試合。その戻ってきた最初の試合は、コンディション面の難しさを感じながら臨むので、いいフィーリングで試合を終えられたので、それも含めて喜んでいます」

 安堵と喜びの笑顔。復帰戦を白星で飾ったイニエスタが、シーズン終盤戦の神戸をさらに強くする。

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[取材・文:塚越 始]
text by Hajime TSUKAKOSHI

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