【ACL浦和】ファブリシオが明かした神業ミドルの舞台裏「GKが少し前へ出ていたので」
広州恒大戦でゴールを決めた浦和のファブリシオ(左)と関根貴大(右)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
広州恒大から自身ACL初ゴール!
[ACL準決勝 1st ] 浦和 2-0 広州恒大/2019年10月2日19:30/埼玉スタジアム2〇〇2
アジアチャンピオンズリーグ( ACL )準決勝・第1戦(ファーストレグ)の浦和レッズ対広州恒大戦、浦和がファブリシオと関根貴大のゴールで2-0の勝利を収めた。
結果的にこの90分間の趨勢を決めたと言えたのが、19分のファブリシオのウルトラショットだった。
左サイドでボールを受けた関根貴大がパス。これを受けたファブリシオがGKのポジションを見て、右足のインステップにしっかりミート。ペナルティエリアの外、約23メートルの位置から、ボールは鋭くドライブしてGKの頭上を越えてゴールネットを揺らした。
ファブリシオはそのゴールシーンを次のように振り返った。
「ゴールキーパーが少し前に出ているのが分かりました。だから、枠に強く打とうと狙いました。強いボールが枠の中に行けば、GKにとっては難しいボールになるだろうと思いました」
ブラジル人アタッカーはそのひと振りに懸けていた、と言う。
「どんなボールが飛んでいったかは自分でも覚えていません。キーパーを見て、ボールを見て、(ボールの)芯を捉えようと集中していました。すごく嬉しいです。ACLでプレーすることは夢の一つで、その舞台で決められて。しかも無失点勝利を収められたのですからね、素晴らしいです」
決して偶然ではない。ファブリシオは言った。
「今シーズン通じて、このような結果を残せるだけの内容は、見せてきていたと思います。だから、ようやく今日、結果につながって良かったです。ピッチに立つ選手のみならず、サポーターにも勝利を届けたかった気持ちがありました」
浦和にとっても朗報と言えるのは、昨季リーグ9試合6得点と”大当たり”したストライカーが、ここで自信を取り戻したことだ。ACLでの記念すべき初ゴールを、準決勝の大一番で決めたのだ。
「ゴールが決まった時は、感極まって何をしたらいいのか分からなくなりました。チームとしても難しい状況が続いていました。ホームでも勝てずにいました。あのゴールで僕自身もチームも、一つ肩の荷が下りたと思います」
中国リーグには、多くの元ブラジル代表選手がプレーする。しかし、ファブリシオは浦和こそがナンバーワンであり、浦和でアジアの頂点に立つと誓う。
「ブラジル代表やUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でプレーしたり、非常にレベルの高い選手たちが中国にはいます。彼らと対戦できることは、同郷でもあるだけに刺激を受けますし、自分にとっても嬉しいことです。ただ試合では彼らを上回り、目立つのは自分たち浦和レッズなんだと思っていつもプレーしています」
ウルトラマンのような髪型がトレードマークでもある浦和の背番号12は、アジア王者への道に導くとともに浦和を上昇気流に乗せる救世主になれるか。29歳になるファブリシオの中で、改めてストライカーとしての血が燃え滾ってきた。
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[文:サカノワ編集グループ]