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【鳥栖-FC東京】疑惑の決勝ゴール。新ルールではハンドの反則が妥当か

鳥栖の豊田陽平。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

オフサイドも? VARがあれば……判定は変わっていた可能性が高い。

[J1 28節]鳥栖 2-1 FC東京/2019年10月5日/駅前不動産スタジアム

 サガン鳥栖が試合終盤に2ゴールを奪い、土壇場で首位のFC東京から大逆転勝利を収めた。一方、厳しいアウェー戦で先制に成功したFC東京だが、3試合ぶりの白星を手にすることはできなかった。

 ただ、90+5分、当初は豊田陽平と発表されていたが、その後、金井貢史に訂正されたゴールの場面。そのシーンが、鳥栖のハンド、さらにオフサイドだったのではないかと議論になっている。

 1-1に追い付いて、さらに猛攻を仕掛ける鳥栖は、敵陣左サイドでフリーキックのチャンスを得る。キッカーは小野裕二。その精度の高いゴール前へのキックに、高橋秀人がヘッドで競り勝ち折り返す。ボールはゴール前へ――。

 そこに飛び込んだのだ豊田だ。鳥栖の背番号11の体に当たったボールは、VTRで見るとそのあと左腕に触れる。そこで方向が変わったボールを、最後、金井がゴールライン上で触り、ゴールネットを揺らした。

 FC東京の選手から抗議を受けるなか、佐藤隆治主審は副審と確認したあと、鳥栖のゴールを認めた。

 サッカーのルールなど重要な規則を決定する国際サッカー評議会( IFAB )がこの夏に定めJリーグにも通達された「ハンドリング」の新ルールでは、「攻撃側の選手の手(腕)にボールが当たって、ゴール、あるいは得点機にいたった場合、すべてファウルになる」と規定される。

 つまり、手(腕)に当たってゴールに直結した場合、それが故意か故意ではなかったかにかかわらずハンドの反則になる。より分かりやすく規定されたのだ(ただし守備側の選手は対象外)。

 そう考えると今回、豊田の手に当たったあとボールはまさにゴールに直結している。新ルールでは、ハンドのファウルの対象となるはずの場面だ。

 さらに、金井のゴールも微妙だった。カメラの角度によって見え方が変わってくるものの、金井がオフサイドポジションにいたようにも見える。

 豊田のハンド、金井のオフサイド――今回、この二つのファウルが見逃されたのか? 優勝を争うFC東京にとっては痛恨、J1残留を争う鳥栖にとっては幸運となる「誤審」になった可能性がある。

 FC東京は3試合(1分2敗)連続勝ち星なし。6日に鹿島アントラーズがセレッソ大阪に引き分けると、首位陥落となる。

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[文:サカノワ編集グループ]

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