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【横浜FC-金沢】J2のVAR導入は?柳下監督「ハンドですよね」結果を左右した疑惑のゴールに憤り

金沢の杉浦恭平。(C)SAKANOWA

中国は2部リーグでもVAR採用。

[J2 36節] 横浜FC 3-2 金沢/2019年10月15日/ニッパツ三ッ沢球技場

 横浜FCがツエーゲン金沢戦、3-2と再逆転で勝ち、勝点3を奪って2位をキープするともに首位・柏レイソルとの勝点差を5に縮めた。しかし、この試合、横浜FCが2-2と同点に追い付いた81分の草野侑己の得点シーン。手にボールが触れたあとゴールが決まっているように見える。

 この夏に国際サッカー評議会(IFAB)からの通達で統一された2019-2020シーズンの新ルールのハンドリングに関する項目では、攻撃側の選手の手(腕)にボールが触れて得点、あるいは得点機にかかわった場合、故意かそうでないかにかかわらず、ファウルになると記されている。つまり、手にボールが触れてゴールにかかわった場合はすべて反則と判定されることになった。

 VTRで振り返ると、確かに草野がボールを押し込む際に手に触れているが……。村上伸次主審の角度からは、ゴール前の混戦で死角となっていたためその一瞬を確認できなかったようだ。

 試合の行方を大きく左右したワンプレー。それだけに金沢の柳下正明監督は悔しさを爆発させた。試合後のフラッシュインタビューで、次のように語った。

「攻撃側の手に(ボールが)当たったらハンドですよね? ハンドですよね。選手たちはすごく頼もしい。すごくいいゲームをやっています。俺は選手に何を言っていいのか、頭に浮かばない。かわいそう」

 金沢からすれば、その新ルールの判定がここで下されなければ、いつ使われるのか? と思うに違いないシチュエーションである。指揮官は続ける。

「いいゲームやっています。やっているけれど、ちょっとしたことで勝点を失う。選手たちはいいプレーをしていました。(しかし次ににつながる戦いだったのでは?)(勝点ゼロに終わったのだから)つながらないでしょ、ショックは大きいです」

 Jリーグは来季からJ1リーグ全試合でのVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入を決定した。となると、また新たな議論となるのが、J2リーグでのVAR導入の可否と導入時期になる。審判員の確保の他にも、どのような課題があるのか。スペイン、ドイツ、さらに中国などで2部リーグでもVARは採用されている。アジアではVARに関して、中国に先を行かれている現実をJリーグがどう捉えているかも気になるところだ。

 もちろん、ではJ3はどうするのか? そこに資金を投じることで、様々な環境整備や育成年代の事業にどのような影響が生じるのか。そういった議論や調整もまた必要になるだろう。

 ただ、一時は逆転していた金沢だが、この「誤審」によって追いつかれ、そして最後に逆転を許した。ここで勝利できれば、プレーオフ圏内への挑戦権をことができたが……。6位の京都とは9ポイント差。横浜FCにとっては価値ある、そして金沢にとっては痛恨の一戦となった。

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[文:サカノワ編集グループ]

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