【横浜FM-湘南】古林が朴のミス突いた「幻のゴール」は誤審、オフサイドではなかった!?

湘南の古林将太。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

Jリーグジャッジリプレイで上川徹氏と原博実氏で意見が分かれる。

[J1 29節] 横浜FM 3-1 湘南/2019年10月19日/ニッパツ三ツ沢球技場

 横浜F・マリノス対湘南ベルマーレの開始4分、山田直輝のパスから古林将太が飛び出し、そのボールを処理しようとしたGK朴一圭がキックミスをする。その浮いたボールを古林が流し込んだものの、副審がフラッグを上げてオフサイドだったと指摘。家本政明主審は副審の判定を支持して、オフサイドの反則だとして、横浜FMに間接フリーキックを与えた。

 改めてオフサイドの反則について整理にしたい。現在はポジションにいて、そこにパスが出ただけではファウルにはならない。次の状況の場合、該当する。

 1)相手を妨害する 

 2)相手競技者を妨害する 

 3)その位置にいることによって利益を得る

 古林が詰めていたものの、今回、朴は明らかなクリアミスをしている。この場合はどうなるのか? 「DAZN」の「Jリーグジャッジリプレイ」で取り上げられ、日本サッカー協会(JFA)の上川徹トップレフェリーグループシニアマネジャー、Jリーグの原博実副理事長、タレントの平畠啓史氏が登場。原氏と平畠氏は判定通り、オフサイドで問題ないのではないかとそれぞれ語った。

 しかし上川氏は逆に、オフサイドを取るべきではなかったと指摘した。

 上川氏は次のように説明した。

「オフサイドポジションにいるのは確実で、その方向へ選手が走っているということで『オフサイドになる』という見解を持たれることは理解します。

 しかし、現在、オフサイドポジションにいるだけでは、オフサイドにはならなくなっています。

 このミスをしたプレーに対して、影響を与えていたかどうか。私は、影響を与えているとは見ません。ボールからは離れていて、まだ選手(古林)がボールに関わるまでの距離には来ていません」

 つまり、朴がキックミスすることに対する影響を、古林は直接的に与えていなかったのではないか、ということだ。

 ただ、原氏は「影響はあったのではないか」「(古林が)いるだけで邪魔だったのではないか」とオフサイドの判定で妥当だったと指摘。古林が走り込むことを予測して、朴が高い位置まで上がっていたのだから、という意見だった。

 両者はそれぞれ譲らず。お互いの主張にも一理あった。

 ただ上川氏は「競技規則では、競技者に”インパクト”を与えているか、と記されています」と強調。この場面では”インパクト”まで行っていない、古林はボールに対しまだ挑めていない、という解釈だった。これまでは「関与」かどうかが問われてきたが、「インパクト」が重視されるとのことだ。

 また、それぞれの意見の齟齬には、国際サッカー評議会(IFAB)が、なぜ競技規則を改定しているのか、という根本の部分が抜けていたからかもしれない。

 IFAが近年の競技規則改正の際、重視しているのが、プレー時間やダイナミックなプレーの増加を狙っていること。つまりはゴール数の増加(減少させたくない)につなげたいという意図がある。そういったことが、ペナルティキック時、キッカーのほうがゴールキーパーより”有利”なルールがやや目立つ傾向などにも表れている。

 そういった視点からすると、やはり”ルールのマスター”である上川氏の見解のほうが、より競技規則に則っていたと言える。もちろん原氏のより現場目線の指摘もよく分かるところではあるが。

 つまり厳密に競技規則に照らし合わせれば、今回のオフサイドの判定は誤りだったのではないか、ということだ。となると……、湘南としては、浮嶋敏新監督のもと、開始早々の先制点がフイになり、結局敗れたという、何とも後味の悪いものとなってしまった。

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[文:サカノワ編集グループ]

Topics: Yokohama F・Marinos 3-1 Shonan Bellmare.

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