心を揺さぶる光景。ACLへ向かう浦和の選手に川崎サポーターが声援を送る

ゴール裏の声援に応える興梠慎三。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

出発する選手バスを、浦和サポーターはチャントの大合唱で送り出す。

[J1 32節] 浦和 0-2 川崎 /2019年11月5日/埼玉スタジアム2〇〇2

 浦和レッズのアジアチャンピオンズリーグ( ACL )決勝進出に伴い、この日組まれた一戦、浦和は2-0で川崎に敗れた。日程変更により組まれたJ1リーグ3連戦は1分2敗と勝点1しか上積みできなかった。

 そして、この試合のあと、浦和のベンチスタートだった阿部勇樹、興梠慎三、槙野智章、岩舘直、荻原拓也、杉本健勇の6人が、タッチライン沿いを走って汗を流した。中3日でサウジアラビアのリヤドで迎えるアル・ヒラルとの一戦に向けて、選手たちの戦いはすでに始まっていた――。

 このあと飛行機で経由地を挟んでサウジアラビア入りするため、移動にほぼ1日がかかる。そのため、ギリギリまで選手たちはコンディションを調整するために時間を掛けていたのだ(クラブのマネジャーは腕時計を確認して、しきりに時間を気にしていた)。

 すると普段ではあり得ない光景が浮かぶ。

 ゴール裏に残っていた川崎サポーターから、その走り込む選手たちに向けて、大きな声援と拍手が送られた。日本(Jリーグ)の代表として頼んだぞ、という声だった。

 それに対し阿部は頭を下げ、興梠や槙野も手を振って応えた。

 槙野は次のように感謝した。

「試合には負けてしまいました。ただ日本の代表として頑張ってほしいという声をかけてもらい、嬉しかったです。SNSでもACLを勝ち上がるなかで他チームのサポーターから激励のメッセージをいただくことはありましたが、こうして直接声を掛けて言ってもらえることは嬉しかったです。(ACL出場組でもある)川崎の分まで頑張らなければいけないなと思いました」

 それだけではなかった。そのあと浦和サポーターが残ってチャントの大合唱を続け、空港に向かって出発する選手バスを送り出したのだ。

 浦和は消化試合が他チームより2試合多く、勝点36で暫定11位。この3連戦でJ1残留を確実にすることはできなかった。

 このあと浦和の選手たちは直接サウジアラビアへ移動。現地時間11月9日19時30分、日本時間10日1時30分からサウジアラビアでACL決勝、アル・ヒラルとの第1戦に挑む。

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[取材・文:塚越 始]

Topics:Urawa Reds 0-2 Kawasaki Frontale.

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