J1残留へ明暗。松本の反町監督「痛い敗戦に間違いない」、鳥栖の金監督「鳥栖ファミリーの勝利」
松本の反町康治監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
松本はまず16位浮上が現実的目標に。鳥栖は13試合ぶりの無失点を達成、次節にも来季残留確定。
[J1 31節] 鳥栖 1-0 松本/2019年11月10日/駅前不動産スタジアム
サガン鳥栖が金井貢史のヘディング弾による1点を守り切り、1-0で松本山雅FCに勝利を収め、J1残留へ大きな勝点3を掴んだ。鳥栖は勝点35で14位に浮上(15位の清水エスパルスと同勝点)、一方、松本は勝点30で17位のまま。16位の湘南ベルマーレ(勝点31)とは1ポイント差のままだ。
鳥栖の金明輝監督はホームで、しかも13試合ぶりの無失点勝利を収めたこともあり、試合後のフラッシュインタビューでは率直に喜びを口にした。
「この1週間、いい準備をしてきた結果だと思います。ファンとサポーターが試合前から最高の雰囲気を作ってくれて、サガン鳥栖ファミリーの勝利でした」
また、指揮官は松本対策が奏功したと頷いた。
「相手のストロングな部分を消せればと思っていました。攻撃でもう1点を取れればさらに良かったと言えましたが、山雅さん相手だと1-0のこうした展開になるのかなと。勝ち切った選手たちをたたえたいと思います」
何よりも無失点の勝利は大きい。次節にも、他チームの結果によってはJ1残留を確定できる。
「久々にクリーンシートを達成できましたし、次はアウェーの名古屋戦。勝ち切って、一つでも順位を上げられればと思います」
一方、松本の反町監督は、「痛い敗戦であることは間違いありません」と唇を噛み締めた。
「少し最後のアタッキングサードでの思い切りがありませんでした。私たちは点を取る作業をずっとしてきて、その作業の中で思い切りがなければ意味がありません。そこは少し話をしました。あとは横からのボールを、かなり意図的に入れてきていたので、セットプレーもそうですけれど、そこは失点ゼロでいかなければいけないと伝えました」
最後は猛攻を仕掛けたものの……鳥栖の牙城を攻略できなかった。
「追い付くためには、並びを変えて少しリスクを冒して、点を取れる人間を前に費やさないといえないと。最後のシーン、PKでもおかしくないようなシーンでしたけれど、ペナルティエリア内にボールを運ばなければ何も生まれない、と」
現実的な目標としては、まずJ1・J2入れ替え戦枠の16位に浮上することになってきそうだ。そこにいるのが最終的に対戦する、指揮官にとっての古巣でもある湘南ベルマーレである。なんとか優位に立っておきたいところだが……。
「1試合、1試合やっていくしかない。(残り試合が)少なくなれば、いろんな意味でプレッシャーが掛かってきます。そうしたなかで自分たちの足元をしっかり見つめてできるのかどうか。久々のホームでの試合、相手は強敵(横浜F・マリノス)相手ですが、勝点3を取れるゲームをしたいと思います」
上位陣には強く、FC東京戦(△0-0)、鹿島アントラーズ戦(△1-1)と引き分けてきた。その2強に続いて横浜FMからも勝点獲得なるか。
両チームにとって大きく明暗を分ける「6ポイントマッチ」となった。