好きな事をしよう論に本田があえて問題提起「物事には裏面がある」
フィテッセでの練習初日のあとに抱負を語っていた本田圭佑。 ※『VitesseTV』より
好きなことだけをしていては理性が育たないのでは――。
[オランダ1部 14節] スパルタ – フィテッセ /2019年11月24日(日本時間25日0:45)/スパルタ・スタディオン・エト・カステール
オランダ1部リーグ(エールディビジ)のフィテッセに加入した元日本代表の本田圭佑が11月21日、自身のSNSのツイッター( アカウントは @kskgroup2017 )を更新し、今度は「好きなことだけをして仕事にしよう」的な論調が増えてきている世間の風潮に、一石を投じるツイートをした。
本田は次のように日本語でつぶやいた。
好きなことをやれ!ってのは、人は感情がついてこないと、理性で価値を見出そうと頑張っても集中力が続きにくいから。
理にかなってるし、同意するけど、何事にも裏面があって、好きなことだけやってると、理性が育たない。
#答えを出すのが難しい問題
「理性」とは、思考を巡らせて慮ったり、人を思いやったり、先を見据えたり、障害や摩擦を回避したり……。『楽しい=「楽」』ばかりを選択していては、そういった社会的な大切な要素が身に付かない危険性があるのではないかと問いている。
好きなことをやれ!ってのは、人は感情がついてこないと、理性で価値を見出そうと頑張っても集中力が続きにくいから。
理にかなってるし、同意するけど、何事にも裏面があって、好きなことだけやってると、理性が育たない。#答えを出すのが難しい問題
— KeisukeHonda(本田圭佑) (@kskgroup2017) November 21, 2019
コメント欄にはさまざまな意見が寄せられている。
好きかどうかを基準にしてしまうと、確かに少しでも困難があると避ける体質になりがちか。一方、むしろ、好きなことをやって成功を収めた人のほうが理性を持って対応する高い社会性を身に付けているのでは? 好きなことだからこそ他者との折衝も上手くこなそうとするのでは? など。本田の意見ともども、一理ある声が届いている。
本田のメッセージは、ある意味、厳しい試練や困難を乗り越えてでも、より高度なものを追求するからこその「好きなこと」ではないかと訴えているようだ。本田自身もサッカー選手としては、いくつかの挫折を糧にして、逞しさを身につけていった経緯がある。
その本田が率いるカンボジア代表(肩書はゼネラルマネジャー)は香港代表に0-2で敗れ、0勝1分4敗(1得点・22失点)でグループ最下位の5位に。なかなか結果を残せず苦しんでいる。
また、本田はオランダでの労働許可証がおり、フィテッセでの選手登録も完了したという。あとはコンディション面さえクリアされれば、11月24日のアウェーでのスパルタ・ロッテルダム戦でのデビューもあり得る。フィテッセは7勝2分4敗(24得点・19失点)の勝点23で5位で、再浮上へのキーマンとして本田が指名された。
本田が何よりも夢中になって取り組んできたサッカーのフィールドに約6か月ぶりに立つ。欧州での生活を始めたオランダの地で、再びボールを夢中に追いかける日々を送る。
[文:サカノワ編集グループ]