【FC東京×湘南】山田直輝が圧巻アシスト「天馬を信じて鬼のようなパスを出した」
湘南の山田直輝。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
力を出し切ってのドローを前向きに捉える。「自分の役割は得点に絡むことよりも、チームの勝利のために闘うところ」
[J1 32節] FC東京 1-1 湘南/2019年11月23日/味の素スタジアム
湘南ベルマーレのMF山田直輝がFC東京戦、3-4-2-1のシャドーで先発し、36分、ボール奪取から敵陣を貫くスルーパスを放ち、松田天馬の先制ゴールをアシストした。湘南の背番号10はリーグ戦2試合連続で先発し、試合は土壇場で1-1に追いつかれたものの、チームの連敗を6で止めて勝点1をもたらした。
「90分通じて『前から行こう』という話をしていて、前半、久しぶりに先制できて、湘南らしく粘り強く戦えました。ただ、こうして最後の最後にやられてしまい、まだまだ試練は続くなと思いました」
そのように試合を振り返った山田は、圧巻と言えたアシストのシーンについて、次のように振り返った。
「自分の中では一瞬出すタイミングが遅れたので、パススピードで解決するしかないと判断し、あとは天馬を信じて、鬼のようなパスを出しました。それを天馬が上手く止めて、しっかり入れてくれました。『狙い通り』よりも一歩遅れましたけれど、そのあとは狙った通りにできたかなと思います」
ただし、勝ち切れなかった……。湘南の浮嶋敏監督も先制後に強調していたのが、あと1点を追加することだった。
「相手はJ1の優勝争いをしているチーム。個の能力は高く、だからこそ最後にやられるかもしれないということは分かっていたので、もう1点を取らないといけなかった。90分あれば1点は決めてくる力がある。だからこそ、もう1点が必要だったと思います」
連敗はストップすることができた。ただ山田がピッチから退いたあと、最後はややプレスが甘くなった印象を受けたが……。そのあたりについて、山田は次のように前向きに捉えた。
「(プレスの部分は)90分やり切らないといけない。けれど、みんな最初からフルスロットルで行き、その結果、一歩足りなかった。僕は今日に関しては悔いはない。自分たちの力をフルで出し切っての引き分けでした。優勝争いしているチームにこれだけできたのだから、あと2試合、どうにかできるという気持ちのほうが強いです」
山田自身にとっても、これが今季初アシストになった。ラスト2試合、29歳の小さな司令塔がチームをけん引するキーマンになってきそうだ。
「自分の役割は得点に絡むことよりも、チームの勝利のために闘うところ。その結果がアシストいう形に出たのは良かった。ただ勝点3を取れなかった。自分の最大の役割を果たせなかったなという思いはあります」
ただし、そう悔しさを募らせる山田のその目はしっかりと力強く、前を見据えていた。次節11月30日はホーム最終戦、6位のサンフレッチェ広島を迎え撃つ。
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[文:サカノワ編集グループ]