ベレーザ植木理子が重圧跳ね除け決勝弾「あわよくば…」。初代アジア女王に王手!

攻め上がる植木理子(左)が決勝点を奪取!日テレ・ベレーザが初代アジア王者に王手をかけた。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

テスト版の女子アジアクラブ選手権。30日のメルボルン・ビクトリー戦は勝てば優勝!

[パイロット版FIFA/AFC女子クラブ選手権]日テレ・ベレーザ 2-0 仁川現代(韓国)/2019年11月28日/Yongin Citizen Sports Park(韓国)

 女子アジアクラブ選手権の”テスト版”を韓国で戦っている日本(なでしこリーグ)代表の日テレ・ベレーザが第2戦、首位の仁川現代製鉄レッドエンジェルズに2-0の勝利を収め、首位に立った。

 当初よりフィジカル面への影響が懸念されていたのが「寒さ」で、気温は刻一刻と下がって体感はまさに氷点下に。中一日で3試合を行うスケジュールのなか、永田雅人監督はスタメン3人を入れ替えて、この一戦に臨んだ。

 ホスト国の代表でもある仁川現代をここで下さなければ「アジア女王」への道が途絶えてしまう。その大一番、先制したのはベレーザだった。初顔合わせでそれぞれの長所をぶつけ合った前半をスコアレスで折り返す。

 そして後半立ち上がり、長谷川唯からのCKを「ニアに思い切り走り込めばマークを剥がせると思った」という植木理子が、大外からニアサイドを突き、ヘッドでピタリと合わせて、先制点を奪ってみせた。

 初戦・江蘇蘇寧(中国)戦(△1-1)、ケガ明けの植木は途中出場から限られた出場時間で勝ち越し弾を狙った。思い切り振り抜いたシュートもあったが……ことごとく跳ね返されて天を仰いだ。その悔しさが、今回の先制弾に込められていた。

 スタメン入りを知ったのは試合直前だったという。途中出場からのイメージを切り替え、積極的に攻めることを心掛けた。対峙する選手はリーチが長く、間合いの詰めが適格で速かった。

「きれいな突破はなかなかできなかった」

 植木はそうこぼした。ただ何度もトライし続け、カットインからのシュートという得意なプレーも披露した。

「インプレ―で得点できなかったことは悔しいですけど、緩急をつけたり、切り返したりするプレーは通用すると、これまでの経験で感じていました。最終戦では、あわよくば自分で決めたいです」

 負ければ優勝の可能性が消滅するという重圧から解き放たれた。その決勝点を奪った植木は笑顔を見せた。

 また、この後半にベレーザが発揮したのが、守備のタフさだった。とにかく全員がハードワークを怠らず、チームの勝利のために走った。ラスト10分を切ったところで仁川現代が投入したタレントはスピードとパスの能力が高いゴールゲッターだった。

 ここで一気にギアアップした仁川に対し、ベレーザは攻撃陣もディフェンスに加わって進入を防ぎ切った。アディショナルタイムに失点か……と思われた場面ではオフサイドに救われた。守備陣のラインコントロールに対する高い意識が、この日一番の危機となった怒涛の反撃を吹き飛ばした。

 極めつけがアディショナルタイムだった。90+2分に投入された宮澤ひなたのアシストで、2分後に小林里歌子がダメ押しの一撃。優勝に向け、大きな勝点3を完封とともに手に入れた。

 ベレーザは1勝1分の勝点4で首位に立った。最終戦は中一日の11月30日、初戦は0-4で敗れたものの、続く江蘇蘇寧を1-1で引き分けたオーストラリアの覇者メルボルン・ビクトリーと対戦する。

ベレーザは土光真代(右)ら守備陣が活躍、韓国王者を無失点に抑えた。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
 
[取材・文:早草紀子]

Ads

Ads