引退する闘莉王を中澤佑二、楢崎正剛が激励「同じ時代に一緒にできて本当に幸せ」
日本の守備陣、最強トリオは息もピッタリ!闘莉王(中央)の引退記者会見に駆け付けた中澤佑二(左)、楢崎正剛(右)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
楢崎「彼以上の存在感を放った選手はいない」、中澤「浦和時代、なぜいつも怒っているのか? と思っていたが…」。
京都サンガF.C.に所属していた元日本代表DF田中マルクス闘莉王が12月1日、都内で引退記者会見を行った。38歳になる闘将は「あっという間の19年間のプロ生活を、今日をもって引退すことを決めました。たくさんの人たちに、ファンに、サポーターに、こんなしょうもない人間を支えていただき、感謝の気持ちで胸がいっぱいです。本当に有り難うございました」と、スパイクを脱ぐ意思を示した。
そして、この記者会見の最後、日本代表と名古屋グランパスでともに戦いJリーグ制覇も成し遂げた楢崎正剛、そして日本代表の歴代最強センターバックコンビに挙げられる中澤佑二が駆け付けて、闘莉王に花束を贈った。
楢﨑は次のように闘莉王について語った。
「まさに”大選手”。長い間の現役生活、お疲れ様でした。それ以外の言葉が見つからない。いろんな場面で、日本のサッカーのために、力を出し尽くしてくれて、名前の文字通り闘ってくれました。今までのJリーグを探しても、彼以上の存在感を放った選手はいなかった。これからそうした選手が出てくるか分からない。力を出し切って戦ってくれたと思います。僕からもありがとうと言いたいです」
そして中澤は次のように語った。
「闘莉王より年齢的には先輩にはなるけれど、試合中は彼にいろいろ助けられたという僕のサッカー人生でした。浦和で闘莉王がプレーしていた時、常に怒っているイメージが強かった。なんで、いつも怒っているんだろう? と、ずっと思っていました。ただ、日本代表でチームメイトになってからは、その『怒っている』意味が分かり、闘莉王の良さをどんどん理解できて、一緒にプレーしたなかで、逆に俺が闘莉王から学ぶことがたくさんありました。闘莉王と同じ時代にできたことを本当に幸せに思っています」
いずれもピッチ上での強い信頼を感じさせる言葉だ。
そして中澤は闘莉王に、「明日、また現役復帰する、というコメントを待っています。まだまだやれると思うけれど、ダメですかね?」と”再復活”を期待。「いやいや、ないです」と、闘莉王が笑いながらもけっこう本気で答えると、ボンバーは「最後の最後までケガを負うなかでもプレーして、本当にお疲れ様でした」と盟友に言葉を贈った。
鉄壁を築いた守備陣。それにしても絵になるトリオだった。
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[取材・文:塚越 始]