【浦和】改革?原点回帰?強化部の新体制が発足、コンセプトは「前向き、積極的、情熱的なプレー」

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浦和レッズJ1

サカノワスタッフ

大槻体制継続の浦和。来季からは「攻撃的」に戦うという。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

戸苅淳フットボール本部本部長が就任。それぞれが強い意欲を示す。

 浦和レッズは12月12日、「新強化体制記者会見」を行い、これまで発表されてきた土田尚史スポーツダイレクター( SD )、西野 努テクニカルダイレクター( TD )とともに、新たに戸苅淳フットボール本部本部長が就任すると発表され、その3人と立花洋一代表の計4人が新体制としての抱負を語った。クラブの公式サイトに13日、その全文が公開された。

 Jリーグでも最高の営業益を出してきた浦和だが、3年連続でのシーズン途中での監督交代により、リーグ戦は終盤15試合でわずか1勝しか挙げられずJ1参入プレーオフ圏16位と勝点わずか1差の14位に終わった。

 立花代表は「この4人が一つになって、風通しのいい強化部門、クラブ全体に新しい風を吹き込んでいきたい」「特に大切なのは、イノベーションを起こすこと。レッズの変革、そういったものに真摯に向き合い、そして取り組んでいきたい」「これからどういったサッカーをするのか、私が2年間、一番考えなければいけないところだったと思います。それを具体化するために、どういうメンバーを集めてやっていくのが一番いいのか、そういうことで結果を出していきたいと考えています」などと話している。

 一方、土田SDは次のように抱負を語っている。

「(浦和レッズの課題について)現実を直視することが、我々に求められていると思います。我々が抱えている課題は、一貫したコンセプトの不在です。

 チームの柱となるべき一貫したコンセプトがないため、監督選び、選手選びの基準、サッカーのスタイルがその都度変わり、短期的な結果を求め、求められ、今まで来ました。

『浦和レッズのサッカーは何なの?』と問われたとき、答えられない自分がいました。これからはチームの方向性を定めて、来シーズンからスタートすることが最も重要だと考えています。これからチームコンセプトをつくっていく上で最も大切なのが、『浦和の責任』というキーコンセプトです。

 浦和の街を理解し、伝えていかなければならない、サッカー文化が根付き、歴史があり、熱いファン・サポーターのみなさんが住んでいる街、そこをホームタウンとする浦和レッズには責任があります。選手はあの埼玉スタジアムで、あの環境の中でプレーをする責任を感じてプレーしなければならない、この浦和の責任を再認識し、ピッチで表現していかなければならないと考えています」

 そのうえで、『浦和の責任』のチームコンセプトとして、『個の能力を最大限に発揮する』、『前向き、積極的、情熱的なプレーをすること』、『攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをすること』を挙げた。

 そして3年計画での復活を計画に掲げた

「来季から、3年の計画を作りました。基礎づくり、変革にはある程度の時間が必要となります。一方、常に結果を求められるクラブであることも理解しております。しかしここで目先の勝利だけを追い求めると、今までと同じ繰り返しとなります。2020年は3年改革の1年目として、変革元年としました。キーコンセプト、チームコンセプトを浸透させながら、ACLの出場、シーズン終了後、得失点差プラス2桁以上が目標となります」

 また、西野TDは次のように語っている。

「(現有戦力への評価は?)今の戦力であれば当然、個々の能力だけを見れば、優勝争いをするべきチームだと思っています。ただチームのパフォーマンスというのは、優秀な個を揃えたらいいだけではなくて、さまざまなプレーの要素がたくさん絡んでくると思っています。

 そういった部分が来季に向けては課題になると思っています。個というところに関しては、来年は現場の求める選手をしっかりと編成、補強をするというところを、今懸命に行っているところです。繰り返しますが、個の能力は、今年も十分あったと思っています」

 浦和レッズ初年度にプレーしたあとクラブの事務職を務めてきた戸苅本部長は、今後トップチーム全体の責任者という立場になることを説明した。

「フットボール本部全体のマネジメントということになります。特にトップチームの投資効率は適切か、入場者数とリンクしているか、グッズの売り上げ、パートナー、そしてホームタウン活動とのリンクはしっかりされているか、そういった経営面からの視点で見ていく、という立場になります」

「浦和レッズが27年間、Jリーグで1回しかリーグ優勝できていない、それはなぜなのか、そういったことを探求して、そのための仕組みづくり、勝つための仕組みづくり、優勝するための仕組みづくり、そして1回だけじゃなく継続して優勝できる仕組みづくりをしていくことが、私のゴールだと思っております。そういったことを私の使命としてやっていきたいと思っています」 

 そのうえで外部の有識者と協議する「フットボール戦略委員会」の発足を検討しているという。

 ただし、質疑応答では「改革」「イノベーション」など、浦和がこれまで繰り返してきた『言葉』を並べているものの、結局、OBでまとめているだけではないか? しかもそれぞれ専門職ではなく、目指すスタイルも2004年から2006年のカウンタースタイルを指しているようである。そこで「原点回帰ではないか」という質問も出ている。つまり、元通りにしたい、ということではないか、と。

 それについて、戸苅本部長は次のように語っている。

「当然浦和レッズの理念は普遍的なもので、それが変わることはありません。

 その上でトップチームに関して、戦うための姿勢のコンセプトというところ、そしてチームコンセプトとしてどういう戦い方をするのか、そこを強調したいというのが、今回僕らの表現、新しいと言っているところだと思います。

 一方、フットボールは普遍的なもので変わらないところもあり、ベーシックな部分は変わっていないところが原点回帰だとおっしゃることも分かると思います。ある意味、原点に立ち返って、もう一回そこを見直して、改めて再出発していこうと、そういうことに捉えられる部分もあるのではないかと思います」

「新しいという言い方もできると思いますし、一方で原点に帰って、初心の気持ちになってやっていこうということもあろうかと思います」

 それぞれの強い決意と意欲は伝わる。ただ、まさにピッチ上と同じく、ワンチームとして機能するのかどうか。現場とクラブが一つになって戦えるか。不安と期待、いずれもが入り混じったなか、浦和の強化新体制が発足した。

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[文:サカノワ編集グループ]

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