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ポドルスキに迫られる選択。年俸大幅減額で神戸延長、あるいはフリーエージェント

天皇杯決勝に臨んだ神戸のルーカス・ポドルスキ。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

MLS、ポーランド、ブラジルのクラブが獲得に関心を示す。ACL、東京五輪もポイントに。

 2020年元日に天皇杯優勝を成し遂げたヴィッセル神戸の元ドイツ代表ルーカス・ポドルスキだが、1月31日に神戸との契約満了を迎えることになり、その先の去就は未定となっている。

 ポドルスキがプレーしていた1F.C.ケルンの地元紙『ケルナー・シュタット・アンツァイガー』によると、メジャーリーグサッカー(MLS)のシカゴ・ファイアー、母国ポーランドのグールニク・ザブジェ、そしてブラジルの名門CRフラメンゴが、彼の獲得を検討していると言われる。そこで1月31日まで待ってフリーエージェントになり、そういったクラブと交渉に入るという選択肢が一つにあるという。

 なお、メキシコの地元紙によると、昨年の夏にポドルスキの獲得を狙っていたメキシコのCFモンテレイは、高額な年俸を理由に撤退しているという。

 そして神戸からは現在6億円と言われる年俸を大幅に下げたうえで、継続オファーが出されたようだ。三浦淳寛スポーツダイレクターは元日決勝のあと、「ルーカス(との交渉)はこれから。バジェット(チーム予算)の関係もありますし、そこの折り合いがつくのかどうか。彼が残りのサッカー人生をどう考えているのかを含め、しっかり話し合って決めていければと思います。なるべく早く決めたい」と語っていた。

 またポドルスキは初のアジアチャンピオンズリーグ( ACL )への挑戦を楽しみにしているという。しかし、外国籍選手の登録枠は「3+アジア1枠」。Jリーグ枠の「5人」をフル活用している神戸はその調整も必要になり、ポルディをグループステージでの「ACL要員」にすることも考えられる。

 三浦SDも「そこは難しい部分で、3枠をスタートの時点でしっかり決めないといけない。選手のコンディションを見て、最後に登録(初戦の1週間前)する選手を決めたいです」と説明していた。

 加えて、34歳のポドルスキは東京オリンピックへのオーバーエイジでの参戦に前向きだ。影響力が大きいことは、チームにとってメリットとデメリットがありそうである。ただ、ドイツでの五輪サッカーのプライオリティや注目度はそこまで高くなく(低いわけでもない)、チームの「顔」としてポドルスキが立つのは大きな効果がありそうだ。

 トルステン・フィンク監督、そしてクラブの意向により、そういった問題や課題がクリアになれば――。例えばまず半年間など、神戸残留もあり得そうだ。

 ポドルスキも天皇杯決勝のあと去就について、次のように語っていた。

「まだ何も決まっていません。いくつかの話が来ていて、神戸から公式なオファーはもらっていません。ドイツでゆっくり、将来のことについては考えたいです。自分は今、神戸の選手であり、神戸が自分を来季も必要としてくれれば、しっかりとした話し合いをしたほうがいいと思います。また、家族とも、どこがいいのかを考えたい。もちろん日本は自分の中で優先順位が高いです。神戸からオファーがなければ、考えればいいとも思います」

 天皇杯決勝で自らのシュートで決勝点(オウンゴール)をもたらし、改めて勝負強さを見せつけた。ポドルスキがどのような決断を下すのか? 神戸の始動は1月22日(時間未定)に決定。ドイツ代表、そして神戸の10番をつけてきた世界屈指のレフティの動向に、注目が集まる――。

関連記事:【天皇杯】ポドルスキが去就について語る「神戸が優先。家族と話し合い考える」

[文:サカノワ編集グループ]

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