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武漢所属の元浦和ラファエル・シルバがインタビュー「多くの人が死にかけている」。新型コロナウイルス感染で心を痛める

2017年のACL決勝第2戦でゴールを決めた浦和のラファエル・シルバ。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

スペインキャンプ中でチームは問題なし。しかし中国人選手の多くの家族は現地に残る。

 新型コロナウイルスの発生源と見られる中国湖北省の武漢にある同国超級リーグ「武漢卓爾足球倶楽部」に所属する元浦和レッズのFWラファエル・シルバが1月30日、ブラジル紙『エスタド・ジ・サンパウロ』のインタビューに応じた。

 ラファエル・シルバらチームはプレシーズン、中国国内の広州で活動を開始。その後、スペインのセビージャでキャンプを行っている。その最中に、新型コロナウイルスの武漢からの感染拡大が報告された。ラファら選手たちは2月18日に中国へ戻る予定だが、さらに遅れる可能性もあるという。

「私はすでにスペインに10日間滞在しています。他のメンバーも合流しました。2月18日までセビージャに滞在する予定ですが、戻れない場合にはどうするかなど、まだ決まっていません」

 ラファエル・シルバの家族もプレシーズン、幸いにも武漢に滞在していなかった。ただ、彼が心配しているのは中国選手の家族についてである。選手たちの報告を逐一受けているそうだ。

「非常に心配しています。外出はできず、限られた時間に買い物に行く際、地下の出入り口を使わなければいけないそうです」

 そのように武漢では「外出禁止」が徹底されているという生々しい声も届いている。

「多くの人が死にかけているというのは衝撃的なことでした。幸い私は医師から問題ないと言われました。武漢にはいませんでしたから」

 武漢から飛び込んでくるショッキングな映像に、ラファエル・シルバも心を痛める一人だ。浦和レッズから移籍した2018年から約2年間を過ごし、昨季は1部昇格を果たした。武漢への思いは人一倍強いだけに、彼の葛藤は想像だにできない。

 1月30日現在、中国保健当局によると、このウイルスによる患者数は7000人を超え、死者数も170人に達したという。日本国内でもワクチンの開発が進められている。一方、現時点ではインフルエンザやSARSよりも毒性は低いとされ(変異を繰り返した場合は不明)、対応も過度にならず慎重を期すようにという声もある。

 ラファエル・シルバは1992年4月4日生まれ、27歳、ブラジル出身。スイスのACルガーノを経て、2014年から16年までアルビレックス新潟でプレー。17年から18年途中まで浦和に在籍し、17年のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝のアル・ヒラルとの第2戦で優勝を決定づけるゴールを決めた。18年途中に武漢へ移籍している。

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[文:サカノワ編集グループ]

Topics:Wuhan Rafael Silva talks about Novel coronavirus at Brazilian media.

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