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【川崎】新布陣の「肝」田中碧はジェジエウと何を話し合っていた?

4-3-3のアンカーとして十全に機能。「ブロックを組まれて何もできなかったわけではなく、そこはポジティブに」

[J1 1節] 川崎 0-0 鳥栖/2020年2月22日/等々力陸上競技場

 2月22日のJ1リーグ開幕節の川崎フロンターレ対サガン鳥栖戦、スコアレスドローに終わったものの、ホームチームはシュート19本(鳥栖3本)を放つなど攻め立てた。その川崎の新布陣4-3-3の「肝」であり、守から攻へ切り替える「起点」にもなるアンカーを担ったのが日本代表MF田中碧だった。

 大島僚太、脇坂泰斗とスペースを補完し合いながら、逆にそれぞれが作ったスペースをパズルゲームのように活用しながら、はめ込み攻撃を組み立てていく。

 24分にはGKの縦パスを読んでカットすると、強烈なシュートを放つ(セーブされる)。そして結果的にオフサイドの判定で「幻のゴール」になった49分のシーンでも、田中が鳥栖の4バックの間隙を突くパスを放ち、それを受けた登里享平のクロスから崩し、最後はレアンドロ・ダミアンが押し込んだものだった。

「自分がボールを触ることが有益かどうか分かりません。自分がいるだけでも、別の選手がボールを触れるようであれば、それはそれでいい。そこは周りとの兼ね合いもあるので、必要であれば修正していきます。(幻のゴールは)ニアゾーンに誰が走るのか、というところは共有できています。何回かチャンスは作れていたので、あとは精度と質、回数を増やしていければ、より得点が近づくと思います」

 また、中盤3人の関係性などについて、次のように語っていた。

「(中盤3人の関係性について)誰が出ても、誰かしらがカバーするということはできていて、そこは3人の連係で良い状態でできていたと思います」

 つまり、3人がカバーすべきエリアは、それぞれが分担し合うことで十分補えていた、ということだろう。そして、チャンスは作れていた、あとは決め切るだけ、だとも強調していた。

「結果としてペナルティエリア内には入って行けているので、そこのチャンスを決め切れれば、勝てたゲームでした。(相手が)ブロックを組んできたから何もできなかった、というわけではないので、そこはポジティブに捉えたい。ですが、決め切れなかったところは力不足だったと思います。敵とのフォーメーションの兼ね合いもありますが、ボールを触れるスペースと機会があり、やりやすさは感じました。(24分のインターセプトからの決定的なシュートは?)入れば良かったのですが、決め切れませんでした。練習するしかありません」

 また、試合途中にはCBジェジエウと言葉を交わして確認する作業を何度かしていた。

「(新布陣で後方を気にすることは?)自分たちの後ろに4人がいるので、それに対し相手は3枚(3トップ)。そんなに自分たちの後ろのところは、あまり怖くはなかったです。(ジェジエウとの会話は?)ビルドアップのところや、あとは相手のカウンターの時に誰がまずいくのか。そういった細かい点や、試合中に出てきた点について、誰がどうするかを話し合い確認していました」

 田中を中心に、チームが回ってきている。その言葉からは、そんな印象を感じさせる。

 ベースを大切にしながらも、川崎がまた新たなフェーズに向かおうとしている。その中心に川崎の「25番」がいる。

 この中断期間を経て、公式戦2試合で出た収穫と課題をどのように生かし、どのようにピッチで表現するのか。川崎は最短でのリーグ再開予定の3月18日、セレッソ大阪とホームで対戦する(19:00/等々力)。

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[取材・文:塚越始]

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