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【Jリーグ】VARの「3密解消」など審判の安全も課題に。新型コロナウイルス対策で

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サカノワスタッフ

VARのオペレーションルーム(2018年5月の日本代表戦で公開された際のもの)。(C)SAKANOWA

審判のためのコロナ対策のプロトコルも作成へ。

 公益社団法人・日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の合同実行委員会が3月27日に行われ、4月25日のJ3開幕、そして5月2日のJ2、そして5月9日のJ1再開に向けた新型コロナウイルスの感染予防策について、詳細にわたる確認と詰めの作業を行った。同日にウェブでのメディア向けブリーフィングが行われ、「試合日程」「競技の公平性」「観戦環境対策」「財務対応」の各プロジェクトリーダーから説明があった。

 そのなかで、J1はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を予定通り実施することで合意したと報告があった。

 ただし、VARを行う場合、ビデオ・オペレーション・ルームには、VAR、アシスタントVAR、そしてビデオを扱うリプレー・オペレーターの3人が入り、サポート役でもう一人が加わることもある。この部屋も、クラスターが起きる可能性の高い「密集・密接・密着」、いわゆる「3密」と言える状態になってしまうのではないかという指摘があった。

 その対策について、Jリーグ側からは次のように説明があった。

「オペレーションルームは、まさに3密の状態です。そこで今、審判委員会とともに審判の安全を守る観点で、審判を守るためにはどのようにするのか協議している最中です。ただ、現状ではVARを行う際、オペレーションルームをバン(車内)に設ける方法を変えられません。例えば換気の仕方、全員マスクを着けるなど協議し、現在プロトコルを作成しているところです」

 Bリーグでは3月15日に予定されていた千葉ジェッツ対宇都宮ブレックス、試合前の検温で審判の体温が37.5℃以上と認められたため、その後の両チームの協議で試合が中止になった(その際は無観客試合であったが)。

 VARへの対応のみならず、Jリーグでも似たような状況は十分に想定される。第4の審判がいるとはいえ、新型コロナウイルスの可能性が少なからずある場合には、「濃厚接触者」が審判員にいれば、試合実施ができなくなることも想定され得る。

 選手、観客の健康と安全に関する対策は練られてきたが、審判に関しても、予防策の徹底が重要になる。NPBとともに発足させた「新型コロナウイルス連絡協議会」の知見をもとに、Jリーグが作成する審判のためのプロトコルは、他カテゴリーのみならず、他競技にとっても役立ちそうだ。

 また、急速に進む感染状況を考えると、VARを当面実施しない、ということも選択肢には入ってくるかもしれない。

 Jリーグは3月25日の実行委員会で、J3は4月25日の開幕、J2は5月2日、J1は5月9日に再開を目指す方針を固めた。4月8日にも新たな日程がまとめられ、その後、発表される予定である。ただし、状況は刻一刻と変わっており、さらなる変更の可能性も考えられる。

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[文:塚越 始]

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