京都の石櫃がスーパークロスでアシスト、鼻血を出した相手選手も助ける

心配そうに横浜FCの袴田裕太郎に水をかけてあげる京都の石櫃洋祐(左)。(C)SAKANOWA

「あの瞬間は『見えた』。耀平の要求しているところへ思い切り蹴った」

[J2 12節] 横浜FC 1-3 京都/2019年5月5日/ニッパツ三ツ沢球技場

 京都サンガF.C.のDF石櫃洋祐が横浜FC戦、開始12分、右サイドからの鋭いアーリークロスを放ち、大野耀平のダイビングヘッドによる先制点をアシストした。前半終了間際に失点したものの、後半に2ゴールを奪っての勝利。右サイドバックとしてフル出場を果たし、しっかり試合を締めた。

「(大野)耀平とはいつも全体練習が終わったあと、クロスからゴールを狙う練習をしています。あの瞬間は『見えた』と言いますか、そこでいつもアイツの要求しているところへ思い切って蹴りました。あのスペースへの入り方が上手いんでね、アイツは。良かったです」

 石櫃はそのように先制点のシーンを振り返り、確かな手応えを得ていた。

「ただ先制できましたが、そのあとの前半の終わらせ方は課題です(45+2分に戸島章に決められ失点)。ちょっとしたスキがあったからやられたと思います。ただ、ウチが全体を通してゲームをコントロールできていたとも思います。相手が油断をするシーンなどもスカウティングしていて、そのスキを突くこともできました」

 多くの若手と中堅の突き上げによりポジション争いが激しさを増すなか、35歳の石櫃も欠かせぬ戦力としてチームを支える。今季7試合に出場、これで2試合連続でのフル出場だ。

「チーム内の競争がもっと活性化していけば、さらに強くなっていけます。今に満足せず、やっていきたいです。球際に負けず、アグレッシブに戦う。そういった姿勢がより大切にされ、それができなければ生き残っていけません。(課題は?)こうした相手だと一瞬のスキを与えるとやられてしまうので、局面でしっかり戦い、勝つこと。そこを大事にしていきたいです」

 後半途中の65分には、こんなシーンがあった。鼻から出血をした横浜FCの袴田裕太郎に、スローインの際に石櫃が「大丈夫か!」とスタンドにも聞こえるぐらいの声をかける。そしてタッチライン沿いで、袴田が両手で顔を洗えるようにペットボトルから水をかけてあげていた。何気ないことかもしれないが、闘うなかでも相手を思いやる男らしい一面を垣間見せた。

 大野の先制点をアシストしたスーパークロスも、売り出し中の斉藤光毅に自由を与えないサイドでの駆け引きも見事だった。加えてプロ13年目を迎える石櫃が、これまで数多くのサポーターから愛されてきた所以を、そんな光景からもうかがい知ることができた。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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