【Jリーグ】広島FWが「一時うつの状態に」と母国ブラジルメディアに告白。外国籍選手の心のケアも課題に

写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

今季加入のエゼキエウ。1月に結婚した妻は来日予定だったが断念。「孤立していましたが、もっと孤立したいと思うようになりました」

 ブラジルメディア『エスポルテ・インテラティボ』は4月15日、サンフレッチェ広島に今季加入した同国出身のFWエゼキエウ(エゼキエウ・サントス・ダ・シウヴァ)のインタビューを掲載し、新型コロナウイルスの感染拡大によってJリーグが中断されるなか、結婚したばかりのブラジルにいる妻とも会えず孤立し、一時うつのような状態になったと告白している。現在は家族や友人と話す機会を作り「元気になってきた」と話す。現在、国籍や年代を問わず多くの人々が不安を抱えて生活を送るなか、日本国内でコミュニケーションを自由に取れず、不安を抱え、孤立しがちになる外国籍選手の心のケアに関しても、Jリーグの課題になってきそうだ。

 記事によると、22歳のエゼキエウは1月に結婚した妻がビザを取得して来日する予定だった。しかし新型コロナウイルスの感染拡大によって今のところ渡航を断念している。「今年中に会えるのか分からない状況」だという(編集グループ注:ブラジルから来日した場合は自宅・ホテルなど14日間の待機要請。一方、ブラジルは3月30日から30日間、全ての外国人渡航者の空路での入国を禁止中)。

 そしてリーグ戦がいつ再開されるのか不確実な状況下、エゼキエウは「サッカーをプレーするためにここに来ました。僕たちを幸せにするのはサッカーをすることです。家族や友人から遠く離れてここまで来たのは、大好きなサッカーをするためです。しかし試合がなく、アドレナリンを爆発させることもなく、目的も見えないなかトレーニングも続きました。そのなかで、ケガをするのではないかという不安も抱えていました」と明かす。そして、うつの兆候が見られ、友人からも心配されるようになったというのだ。

「私は本来とても外交的ですし、サッカーでもさまざまな難しい局面を乗り越えてきました。幸いに大きなケガをしたこともありません。決して誰かから酷い扱いを受けたこともありません」と言うエゼキエウだが、次第に生活に喜びを見出せなくなっていったそうだ。

 練習に向かうことも楽しく感じられなくなり、友人とSNSやビデオ電話で連絡を取ることも億劫になり、「孤立していましたが、もっと孤立したいと思うようになりました。私が生きている理由を見出せませんでした」と告白する。

 そのように自覚したなかで、最近は家族や友人とも話すことが増え、3月9日に誕生日を迎えたばかりのブラジル人ストライカーは「もう元気になりました」と語っている。

 また、日本での生活について、「ブラジルですでに食べたこともありましたが、寿司は気に入っています。ガラナ、シュラスコもあり、アサイーとフェイジョ(豆)がちょっと不足している感じです。一番苦労したのが言葉でした。ただ、みんなとても勤勉で、英語と日本語を少しずつ理解できるようになり、今はリラックスできています」とも話す。

 エゼキエウの勇気ある告白。日本の地で苦しんでいる外国籍選手が、他にいることも推察できる。すぐ傍に寄り添い、話し相手になることが簡単にできない状況でもあるのももどかしい。Jリーグにとって、外国籍選手への配慮は重要なテーマになってくる。

 また、先行きは見えないものの感染リスクを考慮し、練習を実施するタイミングに関しても、各クラブには細心の配慮が求められる。

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[文:サカノワ編集グループ]

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