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【磐田】静岡の力を一つに。山田大記の「一歩」を後押ししたカールスルーエの日々

磐田の山田大記。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

キッカケは磐田の10番から。静岡4クラブが一致団結、プロジェクト「One Shizuoka Project~サッカーの力で静岡をひとつに~」がスタートする。

 静岡県をホームタウンとするJリーグの4クラブが力を合わせて新型コロナウイルスの影響を受ける地元に少しでも役立とうと、プロジェクト「One Shizuoka Project~サッカーの力で静岡をひとつに~」を立ち上げた。5月15日にオンラインによる合同記者会見が行われ、ジュビロ磐田、清水エスパルス、藤枝MYFC、アスルクラロ沼津の選手代表が、この活動への協力を呼び掛けた。

 5月15日に行われたオンラインの記者会見には、沼津の尾崎瑛一郎、前澤甲気、清水の⽵内涼、 金子翔太、藤枝の松岡亮輔、 杉本拓也、 ⽚岡爽、磐田の山田大記、 櫻内渚、 小川大貴、中野誠也が出席。そのなかでキッカケとなる声掛けをした山田が、この活動への思いなどを語った。

 発端は、磐田の選手会で話し合うなか、静岡の4クラブで一つになって、今この状況下で地域の方たちのために役立てないだろうかと意見が出て、各クラブに呼び掛けたこと。そして4クラブの選手で話し合い、そこで様々な意見が出て、活動領域も幅広く可能になり、さらなる活動の発展につながるなどメリットも考えられ、今回、具体的に「One Shizuoka Project」のプロジェクトとして発足した。

 プロ通算10年目に突入、31歳になる山田は2014-15シーズンから3年間にわたりドイツの名門カールスルーエSCでプレーしている。

 そのドイツでの日々が、山田のこうした社会活動の「一歩」を踏み出すことに影響したのでは? 記者会見のあとの一問一答でそう質問すると、磐田のナンバー10は、間接的にではあるが、カールスルーエでの経験が背中を押すことになったと語った。

ドイツに渡って衝撃的だったのが、地域にスポーツが根付いているのを実感したことでした。本当にサポーターが熱く情熱的に支えてくれているのを、すごく肌で感じました。日本もJリーグが発足してから30年近く経とうとしていて、少しずつサッカー界が皆さんに認知され、応援してもらえる土台は整ってきていると思いますが、僕自身はまだまだサッカー界の発展の余地はあると考えています」

 山田は、今こそ何かできないだろうかと考えたと続ける。

「ドイツのように、地域に本当の意味で根付くにはどうしたらいいのかなと考えた時、こうした地域の皆さんが大変な状況のなか、Jクラブが『あって良かった』と思ってもらえること。それが地域に必要とされるクラブではないかと考えています。直接的にドイツの経験が結びついているわけではありませんが、ドイツのようにサッカーが文化になる。その日を迎えるためには、より地域と密接に関わり合わなければいけないのではないかと個人的に感じていて、このプロジェクトに対する思いにつながっていったのかなと考えています」

 山田のカールスルーエでの日々。ドイツで受けた衝撃が形を変えて――今、静岡の地に還元されようとしている。

(C)One Shizuoka Project

「One Shizuoka Project」
当面のプロジェクトは次の通り。

1)クラウドファンディング
クラウドファンディングサービス「Ready For」を活用
目標額:500万円
期間:2週間
リターン:zoom、グッズ、ユニフォーム
寄付先:静岡県コロナ対策部(県内PCR検査体制拡充費用として)
※「One Shizuoka Ready For」で検索

2)Youtube Channnel開設/コンテンツ配信
教育系企画/コンテンツ配信
育成年代向け講演会を予定(zoomにて開催 Youtubeにて生配信)
エンタメ系コンテンツ4クラブ選手対抗企画、サッカーキッズQ&A企画

そのほか)
twitter開設
ホームページ開設(5月末を予定)
協賛スポンサー募集 一口10万円~

関連記事:静岡4クラブがコロナ禍突破へ一致団結「One Shizuoka Project」を発足

[取材・文:塚越始]

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