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浦和の「9番」である所以。武藤雄樹が「いいミートができた」鮮烈ボレーで完全復活を印象付ける

町田との練習試合でボールを決めた浦和の武藤雄樹。(C)URAWA REDS

埼スタでのリモートマッチには「アドレナリンがなかなか出にくいので」と戸惑うが、「選手同士で声を出して盛り上げていく」。

 浦和レッズのFW武藤雄樹が6月13日のFC町田ゼルビアとのトレーニングマッチで、武田英寿のクロスに合わせるアクロバティックな左足ボレーを突き刺して強烈なインパクトを放った。

 30分4本でスコア上は1-2で敗れたものの、その「9番」のゴールはケガからの完全復活を印象付け、加えて背後を狙う動きから前線に躍動感をもたらし、浦和に今必要なものをピッチ上で示した。

 大槻毅監督も「全体として背後への働き掛けが、ちょっと運動量を含めて少なかったです。武藤がそのスイッチを入れてくれたのは有難かった」と“武藤効果”をプラス材料の一つに挙げていた。

 4本目でのゴールシーン。コーナーキックを放った武田がそのクリアボールを再び左サイドで受ける。その左足の鋭いクロスに対し、武藤が少し下がりながら身体を投げ出しボレー! 強烈な弾道が、ゴールネットを突き刺した。

 武藤はゴールシーンについて、「武田からいいボールが上がってきて、いいミートができました」と振り返るとともに、「今年は2トップにゴールを求められることが多くなると思うので、あのようなポジションどりからチャンスを決められるようにこれからも頑張っていきたいです」と喜んだ。

 何よりリモートマッチ(無観客)ではあったが、サポーターが見守るなかでゴールを決められたことを、武藤は喜んでいた。

「ケガをしてからなかなかやれることがなくて、今日、ファンやサポーターの皆さんの前でプレーするのは昨年10月以来でした。ただゴールシーンが一つしかなくて、僕自身もチャンスは他にもあったので、いいプレーをこれからも見せていきたいと思います」

 そのように31歳のアタッカーは、よりゴールを意識していくことを口にしていた。とはいえ観客のいない埼玉スタジアムでのプレーに、「歓声がないなかでは、やはり僕たちのアドレナリンがなかなか出にくい部分があり、みんなで試合前からより声を出しながら盛り上げていくことも重要だと思いました」と戸惑いを感じていた。

 一方、チームとしての課題は次のように挙げていた。

「今年はしっかりとした守備からの速い攻撃が一つの狙いであるので、相手をハメに行く部分でもっと精度や相手に怖さを与える勢いを出せれば、良い守備からの良い攻撃が出せます。そこも課題の一つとして挙げられるのではないかと思いました。ただ、フィジカル的な練習が多くて少し身体が重いところも選手それぞれあったと思うので、さらにコンディションを上げて、キレのあるプレーを見せられるように良い練習していきたいです」

 7月4日のJ1リーグ再開は、ホームでの横浜F・マリノス戦に決定。8日のアウェーでのベガルタ仙台戦までリモートマッチで行われる。観客席が一部開放される予定(5000人以下が前提、詳細は未定)の12日は、ホームで鹿島アントラーズ戦が組まれている。

 浦和の「ナンバー9」武藤のゴールがいつ飛び出すのか――期待を膨らませるファインゴールとなった。

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[協力:浦和レッズ]
[文:サカノワ編集グループ]

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