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【FC東京】コロナ禍、最悪8億円の赤字。借入は現段階では考えず。ただし…

小池知事に表敬したあと、メディア取材に応じるFC東京の大金直樹社長。(C)SAKANOWA

大金社長が東京3クラブ代表と村井チェアマンとともに小池知事を表明訪問。

 FC東京の大金直樹社長が6月24日、FC町田ゼルビア、東京ヴェルディの代表、Jリーグの村井満チェアマンとともに、小池百合子東京都知事を表敬訪問し、今週末からのJリーグ再開を報告するとともに、これまでの医療従事者をはじめ行政のサポートへの感謝を伝えるとともに今後への協力を求めた。

 大金社長は7月4日のリーグ再開を迎えるにあたり、「やっと、という思いです。無観客ではありますが、試合ができることは、クラブにとっても、応援していただける方たちにとっても喜びになると感じています」と語り、気持ちを引き締めていた。首都・東京都のクラブとしての自覚を持っての対応と行動が、今後も求められると強調する。

「Jリーグ56クラブの中でも東京に対し、感染発症者数が一桁になった時期も短くそういったエリアだと思われています。選手には常日頃から厳しく(感染予防対策を)やってきました」

 選手からは感染予防のための独自のガイドラインやルールが厳しいといった声も挙がったという。そうしたなかで、選手も強い自覚のもと行動し、何より「家族をはじめいろんな方々が協力をしてくれたことで、ここまでまず来ることができました」と感謝していた。

 一方、リモートマッチ(無観客試合)の開催とその後の入場者数制限、さらに平日の試合開催の増加などにより、収益の大幅な減少が見込まれる。大金社長は現状のままだと、7、8億円の赤字もあり得るという見通しを語った。

「詳細に関して、まだ詰められていないものの、(赤字額は現状のままだと)二桁億にはいかないぐらい。コスト削減に努めるとともに、高いパーセントを占める入場料収入をいかに守り増やしていくのか、また新たな収益源を増やすための取り組みをしています。(赤字額はこのままいくと)7、8億円ぐらい。コスト面はあまり削減できなませんので、収益が下がった分、影響を受ける形です。(金融機関から)今のところ借り入れる予定はなく、自分の財務のなかでやりくりできると考えています。が、この先、例えば試合ができなかったり、無観客試合が増えた場合、現在のシミュレーションが変わってきます。その場合には、考えていかなければいけません」

 そのように大金社長は現状を報告した。

 また、この日の小池知事への表敬訪問では、東京都にサッカー専用スタジアムを――という提案もJクラブ代表者側から出た。

「私たちは4000人の子供さんを預かっています。(コロナ禍で)子供たちがサッカーができないという状況は、クラブにとってプロサッカーが開催できない収益面のみならず、大きな影響を受けてきました。夢を与えるためには、ファシリティが必要ではないかという話をお伝えしました」

 FC東京は7月4日(19:00開始)、アウェーでの柏レイソル戦でリーグ再開を迎える。8日(19:30開始)はホームでの川崎フロンターレ戦で、この2試合がリモートマッチで開催される。

 そして12日(19:30開始)のアウェーでの横浜F・マリノス戦、18日(19:00開始)のホームでの浦和レッズ戦から、一部入場が可能(政府方針では、5000人以下)となる。

(左から)東京Vの羽生英之社長、FC東京の大金直樹社長、東京都の小池百合子知事、Jリーグの村井満チェアマン、FC町田ゼルビアの下川浩之会長。(C)SAKANOWA

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[取材・文:塚越始]

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