【Jリーグ】首都圏も10日から観客動員再開。小池都知事の「県またぎ移動」自粛要請に、村井チェアマン「ビジターの移動を控えるなど十分配慮。直接紐づけては考えていない」
実行委員会後の記者会見に応じたJリーグの村井満チェアマン。(C)SAKANOWA
5000席でも…チケット販売は苦戦。
Jリーグは7月7日にJ1からJ3の全クラブの代表者による定例の実行委員会を行い、九州での豪雨被害についてロアッソ熊本と鹿児島ユナイテッドから報告を受けるとともに、10日から始まる一部観客動員(5000人以下、スタジアムの2分の1以下)の対策と今後について意見交換と目線合わせを行った。
東京都では連日100人を超す新型コロナウイルスの感染者が報告されるなど、首都圏で感染が拡大傾向にあるなか、Jリーグは原則的に「政府見解」に基づいて試合開催の可否を決定していくことを改めて確認した。今後の感染状況を見守ることにはなるものの、10日以降は無観客試合の継続はなく、一斉に一部観客動員をスタートさせる。
Jリーグの村井満チェアマンは次のように説明した。
「基本的には政府が大規模イベントに関して示す(ステップ3)7月10日からは『会場の50パーセント、あるいは5000人の少ないほう』、8月1日からは(移行期間後)『会場の50パーセント以内』という指針について、大きな枠組みとして捉え踏襲していきます。ここから先は、スタジアムの形状、芝生席・個席・ベンチシートなど様々な構造も異なるため、チケットの席割りは、安全に配慮する観点からクラブに委ねて、対応をお願いしています」
そのように、リモートマッチ(無観客)でのJリーグ主導から、今後はクラブ主導に変わり、各地域や交通インフラなどとの連携を図っていく。
また、東京都の小池百合子都知事は、東京都から県をまたぐ不要不急の移動を控えるようにと呼び掛けている。前日の新型コロナウイルス対策連絡会議でも専門家チームの賀来満夫氏も「(都知事からの)重い発言。(感染状況が変化すれば)さらにインパクトのある発表も、今後あり得る」と言及していた。
村井チェアマンは、そういった首都圏の状況や都知事の発言について、次のように語った。
「7月中はビジターのお客さんを基本的にお迎えしないという前提でカードを組み、東京都から他府県、または他府県から東京への移動を避けてもらうように配慮しています。また選手自身の移動は、健康管理をしっかりしていることで、感染拡大につながることはないと考えています。スポーツは社会を元気づける、社会にとって必要なものであるという認識をしています。『スポーツが不要不急か』というのは非常に難しい議論になります。十分な安全を配慮をしたうえ、スポーツが存在すること、地域に活力を与えることに貢献していきたいと考えています。都知事のご判断と我々のスポーツイベントを直接紐づけては、今のところ私は考えていません」
そのように小池都知事のみならず、各首長から大規模イベントに対する直接的な開催に関する要請がない限りは、基本的に試合を開催していく方針が示された。
また、先週末の販売初動段階では、川崎フロンターレ対柏レイソル戦のチケットが完売。各クラブによって販売方法もイレギュラーとなるが、それ以外のカードはいずれも発売中という。チケット販売状況の最新情報は、7月9日に改めて発表される。
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[取材・文:塚越始]