【札幌】鹿島撃破!しかしミシャに笑顔がなかった理由。鈴木武蔵は「ケガで次節の出場は難しい」
ペトロヴィッチ監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
効果的に走ってスペースを突いて攻略、2-0で粘り強く勝利。
[J1 3節] 鹿島 0-2 札幌/2020年7月8日19:00/カシマサッカースタジアム
J1リーグの北海道コンサドーレ札幌は鹿島アントラーズ戦、鈴木武蔵とルーカス・フェルナンデスのゴールで2-0の勝利を収めた。札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(愛称ミシャ)は試合後の記者会見、「厳しい展開でしたが、札幌が勝利に値するゲームができたと思います」と語るとともに、次節から観客動員が一部再開されることを「みんなとサッカーを楽しむための第一歩」と喜んだ。ただし、その表情に笑顔はなかった――。
「鹿島はシーズンに入り、まだ勝っていないだけに『勝ちに行く』という強い気持ちを感じましたが、選手たちはさらに強い気持ちを持って勝利を目指して戦ってくれました」
指揮官はそのように札幌の選手をたたえたが、鈴木武蔵の負傷交代によって流れが変わったとこの試合のターニングポイントに挙げた。
「前半の入りは良かったと思います。相手はそれほど前から来ることなく、ボールを自陣で奪いカウンターを狙う意図だったと感じました。そのなかで、我々は相手の背後に狙いを付け、優勢に試合を進められました。鈴木武蔵がケガで交代せざるを得なかったことは誤算で、戦術上、厳しさが増しました。相手の背後への飛び出しで、武蔵ほどのスピードのある選手はいません。狙いとすることが難しくなりました」
試合の流れは変わった。ただし、そこからの札幌の選手の粘りと踏ん張りに、ミシャは確かな手応えを得ていた。
「ただ相手に主導権を握られる展開ではありましたが(鹿島の)チャンスらしいチャンスはそれほど多くなかったと感じます。非常にハードワークをして戦ってくれました」
そして鹿島は土居聖真、永木亮太、遠藤康ら主力級の選手5人を投入。押し込まれたものの、跳ね返し続けて、アディショナルタイムにルーカス・フェルナンデスがトドメのゴールを突き刺した。
「後半、鹿島が圧力をかけてくるなか、選手たちはなかなか自分たちのチャンスを作れない時間が続きました。選手たちは球際で戦って頑張ってくれたと思います。そのなかでカウンターから二度決定機を作り、一本を決めたことで試合を決定づけられました。厳しい展開でしたが、札幌が勝利に値するゲームができたと思います」
ただし鈴木のケガは気になるところである。
「武蔵は肉離れだと思いますが、程度は検査をしないと分かりません。次節の出場は難しく、チームにとって痛手ではあります。(次節12日の湘南ベルマーレ戦/アウェーからは)お客さんの中で試合できるのは嬉しくあります。サッカーは観る人がいてこそのスポーツ。観る人とともにあるのがサッカーです。次の湘南戦はホームのお客さん約5000人が来場できるということで、まず一歩目ですね。みんなで作り上げていきましょう」
そのようにペトロヴィッチ監督は、次のステップを喜んでいた。千葉県に滞在しながらアウェー連戦が続く札幌は7月12日19時からBMWスタジアム平塚で、湘南と対戦する。
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[文:サカノワ編集グループ]