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【WEリーグ】地域バランスより“熱意”重視。岡島チェアが発足時のチーム選定基準を語る

競り合う浦和Lの猶本光(右)と千葉Lの千葉玲海菜(左)。両チームの加盟は!? 写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

なでしこリーグから12チーム、新規発足3チーム。Jリーグからは8チーム。

 一般社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WE リーグ:Women Empowerment League)の岡島喜子チェアが8月1日にオンラインによる記者会見を行い、前日締め切った来年秋発足予定の「WEリーグ」の入会申請に17団体から申請があったことに感謝するとともに、10月発表予定のスタート時のチーム「6~10チーム」の選定基準などを語った。予想より多くの団体から申請があり、岡島チェアはこれから詳しく精査する段階ではあるものの「(最低ラインである)6チームでの開幕はないと思っている」と考えを示した。

 岡島チェアはまず次のように17団体の申請に感謝し、改めて来年秋の発足に向けた意気込みを示した。

「昨日WEリーグの入会申し込みを締め切り、17の団体から参加希望の書類をいただきました。世の中の新型コロナウイルスの影響がどのぐらいあるのか心配していましたが、目標としていました6チームから10チーム以上の団体から希望を頂戴し、WEリーグに対する期待の大きさを改めて感じています。これから多くの関係者の方々と力を合わせ、成功に導かなければいけないチェアとしての責任の大きさも感じ、身の引き締まる思いです。選手、チーム、働いていただけるスタッフの方々、パートーナー企業の皆様、WEリーグに関わる全員がハッピーになっていけることを目標にしていきたいと思います」

 17団体の内訳は、なでしこリーグのチームが12チーム、地域リーグなどが2チーム、新規発足がすでに公表しているサンフレッチェ広島など3チーム。17チーム中、Jリーグに加盟しているのが8チーム。17団体については、今後調整がついたあと発表される予定。10月中旬に来年秋スタート時のチームが発表される。

 岡島チェアは、当面入れ替え戦を実施しないものの、チーム数は年々増やしていきたい意向を示した。

「(当初参加チームを絞ることで)資本の集中をできるのは大きいと思います。以前日本にあったLリーグは世界の中で非常に大きな存在で、数多くの世界の選手が参加してくれました。WEリーグも世界の一流選手が集まるリーグにしたいと考えています。その場合、チームだけの力では難しいかもしれません。WEリーグとしてある程度のサポートをしながら、一流選手を連れてきたいと考えています。ただ初めから(高額な選手を)多くするのではなく、1年目、まだ歩き始めていない赤ちゃんの段階であり、当面は入れ替え戦を実施せず、少しずつチーム数も増やしていきたい。小さく生んで大きく育てる、という考えでいます」

 すでにA契約5人以上、最低年俸270万円以上のB・C契約10人以上、役員の最低一人は女性が務める、平均観客5000人が目標――など参加基準が示されている。一方、岡島チェアが重視するポイントは? スタート時のチームの選定について、地域バランスは考慮するものの、より優先するのがクラブの経営・運営に対する“熱意”であると考えを示した。

「地域バランスはそこまで重視していません。なぜかというと、ホームゲームのみならず、女子登録数の多い地域で、そこにWEリーグのチームはないものの試合開催することも模索していきます。(最も重視するのが)チームの経営側の熱意でしょうか。新しいことをやりましょうと声を掛けたなか、女性の活躍、選手への給与などについて、真剣に取り組んでくださるチームを重視していきたいと思っています。グラウンドなど(ハード面)は、開幕までに調整していただくなど柔軟に対応していきます」

 そのように、人材の登用、育成、投資――岡島チェアはソフト面の充実を図ろうとする、そうしたスタンスを重視したい意向を示した。

 予想よりも多い17チームからの申請があり、岡島チェアは申請資料をまだ精査していない段階ではあるが、6チーム以上での開催を目指す意向も示した。

 各団体と調整を図り、提出書類の不備がないなど問題がなければ、申請17チームが公表される予定だ。岡島チェアはアメリカに滞在中のため、10月の帰国に合わせて、来年秋のスタートチームが発表される予定だ。

オンラインによる記者会見を行ったWEリーグの岡島喜子チェア。(C)SAKANOWA 協力:日本サッカー協会

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[文:サカノワ編集グループ]