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香川真司のサラゴサが「理不尽」な昇格POに怒りの声明。6チーム昇格など提案

香川真司。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

エースのルイス・スアレスがレンタル期間切れで、ワトフォードへ復帰。

 スペインリーグ(ラ・リーガ)の昇格プレーオフを巡り、日本代表MF香川真司の所属するレアル・サラゴサが揺れている。

 2部リーグ3位で終えたサラゴサは、同6位まで4チームから1チームが1部へ昇格できる昇格プレーオフに臨むことになっていた。しかし8位だったCFフエンラブラダで最終節を前に新型コロナウイルスの集団感染が発生。柴崎岳の所属するデポルティーボ・ラコルーニャとの最終節は中止が決定した。勝てば昇格圏に食い込めるフエンラブラダは、再試合が5日に決定したものの準備期間が足りなすぎるとして、再延期を要望。今週末に試合が行われる予定だ。

 昇格プレーオフは13日からの開催が決定。すると、このズレにズレた日程のため、今度はサラゴサに大問題が生じた。

 38試合・19得点・6アシストを記録していたエースのコロンビア人FWルイス・スアレスが8月5日で、レンタルもとのワトフォードFCに期限切れで復帰することになった。今回のパンデミックで同日まで契約延長はしていたが、再延期はできないというのだ。

 サラゴサはあらゆる手を尽くしてきたものの、保有権を持つワトフォードは認めず。一方、ラ・リーガにも対応を求めてきたが何も“回答”を得られなかった。

 そこでサラゴサは8月5日、クラブの公式サイトに「声明」を発表。ルイス・スアレスの契約状況を報告するとともに、このままプレーオフが実施されれば明らかな不利益を被りスポーツマンシップに反すると指摘。そのうえで、次の3つの提案をしている。

・2部リーグ1-6位の6チームが昇格し、1部から3チームが降格。来季1部は23チームで開催する。

・戦力不均衡の状況にあり、すべてのカードを0-0の扱いにして、最高順位のサラゴサが昇格する。

・プレーオフを中止して、最高順位のサラゴサが昇格する。

 ルイス・スアレスは5日の最後の練習で、「私はどこにいても偉大なるサラゴサの大ファンの一人です」と選手たちに別れのあいさつをしている。またクラブは記者会見の席で「どの機関に問い合わせても反応がなく、声明の発表にいたった」と説明している。

 各チームが納得できる落としどころを見出すことはできるだろうか――。来季1部で戦えるかどうかまさに死活問題でもあるだろう。

 確かにこのまま開催されれば明らかに理不尽ではある。香川の心境はいかに。サラゴサが揺れている。

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[文:サカノワ編集グループ]

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