【鹿島】「Jリーグの歩みを僕らで止めない」内田篤人が清水戦で久々先発へ
鹿島の内田篤人。6月15日のメディア対応より。(C)KASHIMA ANTLERS
直近のリーグ戦でベンチ入り、今季二度目の公式戦出場なるか。
[ルヴァン杯 GS3節] 清水 – 鹿島/2020年8月12日/IAIスタジアム日本平
鹿島アントラーズのDF内田篤人がJリーグのルヴァンカップ・グループステージ3節の清水エスパルス戦、7月4日のJ1リーグ2節の川崎フロンターレ戦(●1-2)以来となる出場を果たすか。故郷でもある静岡県のピッチ、昨年9月1日のリーグ戦では5分間の出場を果たしているが、先発となると18年2月25日の開幕戦以来となる。
今年2月1日の水戸ホーリーホック戦とのプレシーズンマッチ「いばらきサッカーフェスティバル」で先発した内田だが、後半途中で大事をとって交代したものの、右下腿三頭筋損傷で戦線離脱に。その後、新型コロナウイルスによる中断期を治療とリハビリに充ててきた。決して望んでいた状況ではないものの、猛烈な連戦が続いていたチーム事情も鑑みれば、ある意味、前を向ける要因の一つとなったとも言えた。
迎えた4か月ぶりの川崎との再開初戦、内田は先発出場したものの2失点に絡み、60分で交代を余儀なくされた。
するとその後、内田はベンチ外が続いた。
ただ、この夏場の連戦、ザーゴ監督はこの32歳のサイドバックを活かすタイミングを探っていたという。
「今の世界情勢が例年と異なるのですから、これまでとは違った、新しい準備が必要だと思っています。フィジカル的なケガを繰り返していた遠藤選手や内田選手が継続的に練習できて、試合にもかかわってきています。ケガの多かった選手に関しては、より注目していますが、ケアしてコントロールもできています。これまで交代枠も多く使えるので、ベースを大切にしながら、一人、二人代えながらやってきて、スタメンが代わっても同じように戦いを体現できています。その点はすごく嬉しく感じています」
そのように7月30日の記者会見で、「内田」の名前を挙げていた。
また、内田は川崎戦のあとのメディア対応で、リーグ再開を迎えるにあたって、あらゆる関係者への感謝とともに、Jリーガーとしての誇りを口にしていた。
「僕はJリーグに憧れてプロになりました。キングカズに。これだけ長い中断期間はありませんでしたし、その歩みは止めない。新しいスタートであり、僕らがまた歴史を作っていくイメージを持っています。僕らで止めない、Jリーグを」
その時、ちょうど感染者が増え始めていた時期であった。
「今後どうなるか分からないですけれど、選手だけではできないし、お客さんがいなくて寂しい部分もあります。お金の部分でもスポンサーさんであり、お客さんが入らないための難しさもあると思いますが、僕らでは止めない」
再開から1か月が経った。誰もが先を予測できず、予想できない出来事が起きている。そのなかでJリーグができることは何か。そして内田は直近のリーグ戦でベンチ入りを果たした。この清水戦で故郷のピッチに立った時、いったい何が起きるのか――。今季公式戦2試合目の出場なるか。多くのファンがその時を楽しみに待っている。
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[取材・文:塚越始]