JFA田嶋幸三会長が体験を踏まえ感染症患者への差別撤廃訴え「スポーツ界が率先して共に力を合わせて」

田嶋幸三会長(右)と浦和の興梠慎三(左)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

自分自身が感染した経験からいえば…「感染者は病気への不安だけでなく、周囲への影響にも心を痛めています」。

 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長が9月4日、JFA公式サイトにステイトメント「誹謗中傷、差別や偏見をなくそう ~感染拡大防止のために~」を掲載した。

 田嶋会長のステイトメントは次の通り。

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「毎日暑い日が続いていますが、9月に入り暑さの中にも少しずつ秋の気配が近づいてきているように感じています。今年は新型コロナウイルスへの対策もあり、例年とは異なる夏を過ごされた方も多いと思います。

7月中旬以降、再び感染者が急増して全国的に広がった新型コロナウイルスの感染状況は、このところ新規感染者数の増加の勢いが収まってきたように思います。感染の状況、そして対処方法は日々、変化しています。

また、それぞれの地域が置かれた状況によって異なる対応が求められています。JFAや関係省庁、自治体が発信する最新の情報を確認しながら、サッカーファミリーの皆さんも引き続き感染防止に最大限の注意を払い、日々の生活やサッカー活動を行っていきましょう。また、この未知のウイルスに対して世界中で多くの方が奮闘を続けています。医療従事者の方々、人々の社会生活を支える仕事に従事されている方々をはじめ、数多くの方々に対してあらためて感謝を申し上げます。

現在の状況では、どれだけ感染予防をしていても感染するリスクは誰にでもあります。新型コロナウイルスワクチンの完成や治療法が確立されるまでの間、一人一人が新しい生活様式を実践し、感染しない、感染させない、ということを続けていくことが、このウイルスの爆発的感染や医療崩壊を防ぐための、私たちができることではないかと思います。

自分自身が感染した経験からいえば、感染を疑った時点から、自分自身のことよりも、周囲の人たちに移していないか、自分から感染を広げていないか、ということを切実に考えました。感染者は病気への不安だけでなく、周囲への影響にも心を痛めています。

残念ながら一部では、感染者やその家族などに対する差別や偏見、心無い行為が見受けられます。集団感染が発生した学校や大学、職場への誹謗中傷も後を絶たず、一部では人権侵害の行政通報が法務局になされたと聞いています。医療従事者やその周囲の方たちへの偏見や差別があったという報道も未だに目にします。こうした行為は、体調が悪くなった場合、批判を恐れて適切な検査や治療を受けないことになったり、あるいは、職場などで感染者が出た場合、組織的な隠蔽(いんぺい)につながったりする可能性があり、この病気への対応で一番大切な初期対応を誤り、結果的に感染を拡大させてしまうといったことにもつながりかねません。

今は、それぞれが最大限の感染対策に取り組むとともに、当事者の気持ちになって物事を考え、周囲への配慮や思いやりを持って行動することが感染症のリスクを軽減し、偏見や差別をなくすことにもつながると考えています。

JFAは、リスペクトを「大切に思うこと」として、サッカーというフィールドから、関わる人々やそれぞれの考えや価値観、あるいは身の回りのモノなどを大切にし、尊重する精神を広く浸透させ、差別や暴力のない世界をつくるべく取り組んできました。サッカーは世界中で最も愛されているスポーツです。社会的にも大きな影響力があります。

サッカーファミリーの皆さん、ぜひ、皆さん一人一人がメッセンジャーとなって「リスペクト」を広げてください。サッカーというフィールドから誹謗中傷、差別や偏見といった“見えない敵”を排除し、新型コロナウイルスが収束に向かっていくよう、スポーツ界が率先して共に力を合わせていきましょう。

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[文:サカノワ編集グループ]

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