【浦和】希望の存在となったマルティノス「もはやPKだった」「続けていけばある瞬間から勝ち続けられる」
浦和のマルティノス。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
右MFで今季リーグ初先発、再三にわたり打開する。
[J1 20節] 浦和 0-1 名古屋 /2020年10月4日/埼玉スタジアム
浦和レッズのマルティノスが名古屋グランパス戦、今季リーグ11試合目の出場で初先発を果たし、再三にわたって右サイドを打開してチャンスを作り出した。しかし……ゴールは奪えずチームは3連敗、ホームでは4連敗いずれもノーゴールに終わった。
政府の見解に基づきJリーグは観客数の上限を増やすことを認め、この日、埼スタには9357人が集まった。その観衆から送られる拍手で最も熱が感じられたのが、マルティノスに対してだった。
アウェーでは2-6と大敗を喫している相手に対し、4-4-2の「右MF」で抜擢されたマルティノスは相馬勇紀との主導権争いをはじめ激しい攻防を展開する。26分には左へ抜け出た興梠慎三のクロスにゴール前へ詰めて、ジャンプヘッドで合わせられればゴールか――という場面を作ったもののタイミングが少しズレてしまう。さらに42分にはゴール前へ抜け出し、吉田豊のタックルに倒れて、PKか……という場面も。しかし主審は「ダイビングである」とゼスチャーで示し、ノーファウルの判定に。
浦和の11番はこの日誰よりもゴールの匂いを放ち続けたが、ホームでゴールネットを揺らすことはできなかった。
マルティノスは試合後、悔しそうに振り返った。
「自分のプレーにフォーカスしますと、チームにエネルギーをもたらして戦い、高いクオリティを示せたと思います。クロスを上げて、ほぼアシストというようなプレーもできました。ふたりがマークにくるような危険なプレーも見せ、もはやPKだったようなシーンもありました。全体的にいいいプレーができました」
そして「継続」こそが大切だとも強調した。
「内容のいい試合ができています。良いゲームをすることによって、次につながっていきます。次に向かえるような内容で試合を続けられれば、ある瞬間から、勝ち続けられます。私自身は先発でも、途中出場でも関係なく、チームの勝利のためにハードワークするだけです。そのための準備をしていきます」
29歳になるキュラソー代表アタッカーはそのように前を向いていた。シーズンの後半戦に突入したなか、マルティノスが浦和にとって希望の存在となりそうだ。
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[取材・文:塚越始]