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中澤佑二、闘莉王、GKは…。J最多得点の佐藤寿人が引退会見で語った「壁となって立ちはだかってきた」存在とは?

今季限りで引退する千葉の佐藤寿人(11番、隣は同じく今季で引退する田坂祐介)。(C)SAKANOWA

「21年間、とても幸せな選手生活でした」

 ジェフユナイテッド市原・千葉の元日本代表FW佐藤寿人が12月26日、オンラインによる引退記者会見を行い、同クラブの公式Youtubeチャンネルでライブ配信された。

 通算ではJリーグ最多となる559試合・220得点(そのうちJ1・161得点=2位)を記録。日本代表でも31試合・4得点。そしてサンフレッチェ広島での三度のリーグ制覇に貢献した。セレッソ大阪、ベガルタ仙台、名古屋グランパスでもプレーし、最後は下部組織からプロ入りまで果たした千葉でプレーして、スパイクを脱いだ。

 佐藤は千葉とファンに対し、次のように感謝した。

「お世話になったジェフで、いろんな人にプレーしている姿を見てもらえましたが、本来スタジアムのあるべき姿でなかったことが心残りでした。声が耳に届き、いろんな方の姿が目に入り、そういった普段の光景、サッカーのある日常が限られていたところでは、悔しさがありました。ただ、このクラブで最後の決断をできたことは誇りに思います」

 それだけにJ1昇格を成し遂げられなかった悔しさが残る。

「やはりJ1にジェフを戻すことができなかったのは心残りでした。ずっとこのクラブで育ててもらい、ジェフのアカデミーと出会っていなければ、自分はプロになれていなかった選手だと思います。そういう意味では、アカデミーも現在苦戦していますが、もう一度、しっかり結果を出せるように。プロになれる選手を一人でも多く輩出できるように体制強化できるように願っています。これからもサッカーに携わり、サッカーの素晴らしさ、経験を伝え、しっかり勉強していきたいと思います」

 そのように日本一のストライカーは、育成世代の課題に関心を示していた。

 現役生活は21年に。「最も対決で燃えたDFとGKは?」という問いに、佐藤は「もう全員引退していますが、それだけ長くやってきたのかなと思います」と小さく苦笑いを浮かべ、さまざまなマッチアップを懐かしむように回顧して語った。

「今まで対戦したどの選手も素晴らしかったです。非常にやりにくさを感じてきました。その中で、あえて名前を挙げるとすると、ディフェンダーであれば中澤佑二さんと闘莉王。ゴールキーパーは、名古屋でも時間をともにした楢﨑正剛さんが、一番、自分の壁と立ちはだかってきました」

 中澤、闘莉王、楢﨑……。その高い壁に正々堂々と挑んで切磋琢磨しあい、佐藤もまた進化を遂げてきた。その先に積み重ねてきたJリーグ最多の220ゴールだった。

 最後は広島や仙台時代にお世話になった、北海道コンサドーレ札幌を率いるペトロヴィッチ監督、日本代表の森保一監督からのメッセージも届いた。そしてJリーグの伝説となったレフティは、「21年間、幸せな選手生活を送れました。ジェフ、セレッソ、ベガルタ、サンフレッチェ、グランパス。本当に素晴らしいクラブで、素晴らしい場所で、素晴らしい仲間とサッカーができて、とても幸せな時間でした。これまで以上にサッカーを愛し、サッカーの素晴らしさを伝えていきたいです」と語って、選手生活を締めた。

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[文:サカノワ編集グループ]

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