日本はカナダに敗れアルガルベ杯6位。高倉監督の一問一答「現在地を自覚し、W杯予選へ」
カナダにゴールを奪われ、天を仰ぐ主将の熊谷。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
大会通じて「シュート数増」は収穫。強豪を脅かす戦い方が次なるテーマに。
[アルガルベカップ 5・6位決定戦] 日本 0-2 カナダ/2018年3月7日/パルシャル
なでしこジャパン(日本女子代表)が順位決定戦でカナダに敗れ、12チーム中6位に終わった。
今大会は12か国が4か国3組に分かれてグループステージを戦い、この日の1~12位の順位決定戦が行なわれた。リオ五輪3位の強豪カナダと対戦した日本は、雨が降るなかで粘り強く戦い、パスを回しながら勝機を見出そうとした。しかし20分に自陣ゴール前で PKか? と一瞬集中が切れたところで先制点を許し、50分にはパワーに圧されて追加点を献上する。
試合終了間際に田中美南がPKのチャンスを掴んだものの、GKのファインセーブに阻まれてしまう。日本は0-2で敗れ、昨年の前回大会と同じ6位に終わった。
試合後、高倉監督は次のように振り返った。
――6位の結果を受けて。
「前半は何とか0−0、もしくは1点先制点がほしい流れだったが、集中の切れたプレーから相手の素晴らしいシュートが入ってしまった。少し残念だったが、後半立て直して焦らずじっくり行こうと話して送り出した。良くない時間帯に2失点目を喫し、少し前掛かりバランスを崩して主導権を取られる時間帯もあった。攻撃面に関して、3試合目でできていたみんなが絡みながらゴールに迫っていく形がほとんどできなかったのは非常に残念だった。相手の守備の圧力に堪えられず、それを凌駕する、個人で一枚はがすテクニックや連係が今日に関してはなかなか出せなかった」
――今大会、積み上げられた収穫は?
「守備のところで1試合目はなかなか上手くいかなかったが(オランダに6失点)、アグレッシブに前線から守備をする形を選手同士で話し合い、いろいろな微調整をしてくれたので、それは良かった。一番は攻撃のところでかなりペナルティエリアに入り、シュート数が増えたのは収穫だと思うし、引き続き精度と強度を上げ、今日のカナダのような相手に対してもゴールを脅かす進入する形を多くできれば」
――課題は?
「ボールがよく回り出しているが、相手の圧力が強くなったときに少しぶれたり、一つ耐えられなくなったり、というのが見えた。これでカナダは5位。トップレベルに対し、それができない限りは一番上にいくことは難しい」
—―4月に開催される、FIFA女子ワールドカップ・フランス大会のアジア予選を兼ねた女子アジアカップ・ヨルダン大会に向けて。
「まず絶対に勝たなければいけないので、当たり前ではあるが、守備の確認はしたい。今日のような抜けたプレーをすることに関しても選手は自覚を持たないといけないし、我慢強く耐えるなかで勝ち星を拾っていくのがなでしこのサッカー。そこを確認したい。シュート精度はずっと課題だが、もう少しいろんな角度からアプローチしたい」
――今後に向けて。
「まず現実的にこの2勝2敗で6位という結果は昨年の前回大会と同じ。現在地をみんなで自覚し、さらに頑張らなければいけないという強い思いを各自が持ち、1か月後、万全のコンディションで(アジアカップに)乗り込んでほしい。とにかく結果が全てだと思うので、強い自覚を持って戦える選手を選びヨルダンに行きたい」
構成:サカノワ編集グループ