【鹿島】GK沖悠哉が曽ヶ端準“コーチ”に「まだ違和感」。一方「より自分がレベルアップできる環境に」
オンラインによる取材に応じた鹿島の沖悠哉。(C)KASHIMA ANTLERS
選手同士だった昨季までの「最低限のライバル関係」を経て――。
J1リーグ鹿島アントラーズのGK沖悠哉が1月29日、メディア取材に応じて、2021シーズンに向けた抱負を語った。
鹿島ユースから昇格したプロ3シーズン目の昨季、J1デビューを果たすと、鋭い反射神経を生かして幾多のシュートを食い止め、GK陣の中で最大の持ち味であるフィードで攻撃の始点となった。GK陣では最多となる24試合出場を果たし、新たな守護神誕生を予感させた。
2021シーズンはその地位を確固たるものにしたい。
一方、鹿島ひと筋でプレーしてきた同じく鹿島ユース出身である41歳の元日本代表GK曽ヶ端準が昨季限りで引退を決断。奇しくも曽ヶ端のデビューした99年に、沖は誕生している。まさにそんなところにも鹿島の歴史が感じられる。
今季、曽ヶ端がアシスタントコーチに就任。選手とコーチの関係になった。
沖はそのシチュエーションに「まだ慣れないですし、違和感はあります」と言う。
「ソガさんが直接気になったことは言ってくれます。これまではお互い選手同士で、ゴールキーパーのポジションは一つしかなく、最低限のライバル意識がもちろんあったなかで接していました。今は自分が良くなっていくためにどうしたらいいか、チームが良くなっていくにはどうしたらいいか、疑問に思ったことがあれば素直に聞いています。より自分がレベルアップしていける環境にあります」
また過去のこの開幕前の時期は、試合出場を目指してガムシャラに取り組んできただけに、今回は少し心持ちも異なる。曽ヶ端の引退とともに、クォン・スンテが来日後の隔離期間で不在である点も少なからず影響している。
「メンタル的にも少し自信が持ててている状況だと思うのですが、その自信が少し怖いと言いますか。これまで必死にやって食らいついてきたものの、練習の中で自分が意識していること、求められていることができるようになってきました。その中で、言い方は悪いですが見栄を張ったり、過信したプレーはしないようにしたいですが、そこのバランスが難しいです。例えばビルドアップのところで、チャレンジするボールなのか、安パイのロングボールなのか、そこは葛藤しながら取り組んでいる状況です」
曽ヶ端との関係、チーム内での立ち位置。ただ、その初めての違和感もまた、ベクトルは一点、鹿島のイズムである“全ては勝利のために”へと集約される。
「自分ができることをもっともっと見出しながら、一つひとつのプレーにもっとこだわって成長していきたいです」
21歳の沖は力強く語った。
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[文:塚越始]