リトルホンダ再び囁く…本田圭佑がポルトガル移籍発表。「火事かと思った」契約サインの舞台裏
本田圭佑。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ポルティモネンセに今季末まで期限付き移籍、「求められれば前のほうのポジションも」。東京五輪出場への意欲も示す。
日本代表としてワールドカップ(W杯)3大会連続でゴールを決めているMF本田圭佑が2月4日、各界のトップランナーの生の声を聴ける音声サービス『NowVoice (ナウボイス)』で、ポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCへの加入が決定したことを自ら発表した。今季末までの契約。
昨年12月にブラジルのボタフォゴFRを退団した本田はフリーの立場になり、今回、移籍マーケットの期限ギリギリでサインした舞台裏を明かした。ポルトガル南部のポルティモンのホテルに滞在していた本田は、2日前の夜中、突然叩き起こされて驚いたそうだ。
「夜11時半頃、僕が寝ていたら、ホテルのドアをドンドンされたんです。そんな時間ですから、『火事か!』と思いました。そしたら焦ったマネージャーがいて『あと30分でサインしないと間に合わない』と言われて。聞くところによると、表に出ている移籍期限が、このコロナ禍で変わったみたいで、そこを代理人もクラブも知らず、ただクラブ側の人間が気付いて、そこから弾丸です。元浦和レッズでGMのポンテと社長が来ているからサインしてくれと言われました。それで寝間着でロビーに出てサインしました。11時58分、そこから送信して。あと2分過ぎていたら登録できていなかったと」
そのように最後はドタバタだったそうだ。
「火事じゃなくて良かったです。裸足でスリッパでしたから」
本田はそのように振り返った。
また、ポルティモネンセ以外からもオファーがあったという。ただし、それはヨーロッパではなかったという。本田は“ヨーロッパ復帰”を目標にしていたと明かす。
「いくつかオファーはいただいたのですが、その流れで満足のいくオプションがなくて。ヨーロッパに戻ってきたかったのはありました。1回メキシコに行った時、『もうヨーロッパには戻れない』と言われました。僕はどうにかして戻ってきたいと思っていました。他のオプションはヨーロッパではなかったんです。なかなか難しいなかで意思決定しました」
また、「今回は『リトル・ホンダ』」と相談したのか?」スポーツライターの木崎伸也さんからの問いに、本田は次のように語った。
「普段みんなも『リトル・ホンダ』と、『リトル・自分』と会話しているでしょ? 毎日会話しているでしょ? 大マジに言うと、『有難く受け止めておけ』と言っていました。僕は欲深いから、もっといける、とか言っているわけです。でも、実際には(オファーが)なくて、いろいろ悩んでいたなか、『お前オファーをもらえているだけでも幸せだぞ、もらっておけ』と」
ポルティモネンセでの希望するポジションは、「求められれば前のほうのポジションをやるのもありです。基本軸はボランチですけど、変わる可能性はあるかなと思います。ボタフォゴの時ほどボランチに固執しているわけではないです。チーム状況を見ながらです」と、今度は臨機応変に行くということだ。
そして本田は「ボタフォゴで得た経験をこのポルティモネンセの残留争いに生かしたいです。前であれば結果が求められ、ボランチであれば勝利で判断してもらわないといけない」と語った。
また、オーバーエイジでの選出を目指す東京オリンピックについては、次のように改めて意欲を示した。
「(現在の左足を癒したあと)できるだけ早く復帰して、毎試合、とにかく追い込んでアピールしていく。1試合1試合が勝負。誰目線かにもよりますが、僕目線であれば『選べよ』と思います。ただ(オーバーエイジは)3人しか枠がなく、23歳以下の大会であり、穴のあるポジションにオーバーエイジを充てることになります。そこは森保さんの好き嫌いにもなると思いますが、僕を選んでおいたら結果を出しますという準備はしています。自信はあります」
本田がプロフェッショナルのサッカー選手として8か国目、ポルトガルでの挑戦をスタートさせた。
『NowVoice (ナウボイス)』は生配信のサービスも開始。タレントの田村淳さんら様々なゲストが訪れて、本田との対話を公開している。
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[文:サカノワ編集グループ]