「100点満点中0点です」鳥栖16歳MF福井太智が鹿島戦でルヴァン杯デビュー。森本貴幸、久保建英に次ぐ三番目の若さで
史上3番目、16歳の若さでルヴァンカップでのデビューを果たした鳥栖の福井太智(43番)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
クラブユース選手権を制した鳥栖U-18所属、2種登録でさっそくチャンスを掴むものの、前半で交代に。
[ルヴァンカップ GS1節] 鹿島 3-0 鳥栖/2021年3月3日/カシマサッカースタジアム
ルヴァンカップのグループステージ1節、サガン鳥栖に2種登録されている鳥栖U-18所属の16歳、高校1年生のMF福井太智が鹿島アントラーズ戦でトップデビューを果たした。森本貴幸(当時・東京ヴェルディ)、久保建英(当時・FC東京)に次ぐ三番目の若さでのルヴァンカップ初出場。4-4-2の右MFでピッチに立った新鋭は、しかしなかなか攻撃に絡めず、結局、ハーフタイムを挟んで湯澤洋介との交代を告げられた。
U-15・U-16日本代表に選ばれてきた、アカデミー育ちの期待の星の一人である。今回2種登録されるとすぐ、アウェーを辿る過密日程もあり、今回のチャンスが巡ってきた。
しかし福井は試合後、オンラインの取材で悔しさを滲ませた。
「2種登録されて時間も経っていないなか、ここで結果を出してやろうという気持ちで臨みました。(今日の自身の評価は?)100点中、0点ではないかなと思います。自分自身なにもできなかった印象です」
そのように鹿島と真正面から向き合ったことで、福井はむしろ現在地を突き付けられたと強く自覚していた。
「これまでになく、鹿島さんのプレッシャーが早く、自分が思っていた以上でした。もっと自分自身できると思っていたのですが何もできなかったなという感じです」
「まだまだ自分自身では足りない思いがあり、この悔しさをバネに、ここで活躍できるように頑張りたいと思いました」
2020年度、鳥栖はクラブユース選手権でU-18、U-15のアベック優勝を成し遂げた。福井はさっそく鳥栖U-18の中心選手としてその頂点に立った。それだけに、この掴んだチャンス、トップチームでの戦いにかける思いも強かった。
「(金明輝監督からは)『思い切りやってこい』という言葉をいただきました。(周りの選手からは?)ここでできなかったこと、悔しい思いを次につなげろと言われました。自分のゴールやアシストという数字を残しチームを勝たせたいです」
福井はそのように語った。このほろ苦い経験もまた、次に向かうための礎になったはず。楽しみな逸材が、キャリアの大きな一歩を刻んだ。
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[文:サカノワ編集グループ]