【J開幕の1枚】心熱き守護神、健闘を称えあう
湘南対鳥栖戦の直後、湘南の谷晃生(中央・左)と鳥栖の朴一圭が談笑。何を話しているのだろう。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
湘南の谷晃生と鳥栖の朴一圭。試合中の鬼気迫る表情から一変、この日のナイスファイトを物語っていた。
[J1 1節] 湘南 0-1 鳥栖/2021年2月27日/レモンガススタジアム
J1リーグ開幕の湘南ベルマーレ対サガン鳥栖戦の一コマ。試合を終えた直後、湘南の谷晃生、鳥栖の朴一圭、二人の守護神が健闘を称えあい、ふと優しい笑みをこぼしている。
谷と朴、いずれも試合中は鬼気迫る形相でゴール前に立ちはだかり、最後尾からチームメイトを鼓舞する。味方であれば頼もしく、しかし相手であればちょっと厄介で近寄りがたい。本人たちも試合中、プレーのみならず、どんな小さな仕草や所作であり、一瞬でさえ“弱気”や“隙”を見せてはいけないという緊張感を漲らせている。
そんなハートの熱さが売りの守護神同士でもある。だからこそ、分かりあえる面もあるのかもしれない。
試合はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックを経て、林大地が突き刺したPKが決勝点になり、鳥栖が勝利を収めた。GKにとっては、より正しいジャッジが下されるVARの採用は間違いなくプラスなのだが、今後もあのチェック時間のあいだ、いずれにせよ動揺を見せることなく次の展開に備えるタフな精神力が求められる。
心熱き二人の戦士が浮かべた、試合中には見せることのない柔らかな表情。緊張が解けた一瞬でもある。ある意味、この日の激闘であり、ナイスファイトを物語っていた。