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「やっぱり楽しかった」稲本潤一が今季初先発。相模原、大宮からJ2初勝利!

大宮戦の試合後に取材の応じた相模原の稲本潤一。協力:SC相模原

昨年9月以来の公式戦出場、前半風下に立つ苦しい戦いに「ひたすら耐えた」。

[J2 4節] 相模原 2-1 大宮/2021年3月21日/相模原ギオンスタジアム

 クラブ史上初めて今季J2リーグに昇格したSC相模原が、大宮アルディージャに2-1の逆転勝利を収め、2021シーズン初の勝点3を獲得した。先制点を与えたものの、風上に立った後半、84分の藤本淳吾投入で勢いが加速。88分に平松宗が決め、さらに90+4分に藤本が目の覚めるようなショットを突き刺し、ホームで鮮やかにスコアをひっくり返してみせた。

 この試合、元日本代表である41歳の大ベテラン稲本潤一がスタメンで今季初出場を果たした。昨年9月の13節・カマタマーレ讃岐戦(△2-2)以来となる公式戦の出場だったが、アンカーに入り逆転を呼び込む流れを作って、58分に梅鉢貴秀と交代した。

 稲本は試合後のオンラインによる取材に登場。この記念すべきJ2初勝利に、「何よりも相模原の歴史の中で、J2で初めて勝点3を取れた試合がホームでした。(新型コロナウイルス感染症対策の入場規制などもあり)ファンの人数は限られていましたが、ここで取れたことは大きいと思います」と喜んだ。

 とはいえ久々のトップチームでの出場は、悪天候によって前半、風下に立たされ劣勢を強いられた。

「(風下の)前半はひたすら耐えるのがメインで、隙あらば前線のパワーのあるブラジル人コンビを生かしてゴール前まで行きたかったですが、なかなかできませんでした。ただ多少プランは変わりながらも、しっかりできました。(これまで試合で)中盤の位置が低いなと感じていたので、もう少し上げて前から行くことを意識していました」

 この日を待っていたとばかりに稲本は「今年は練習試合をたくさんしてコンディションも上がってきていました。いつでも出られる、いい状態でした」と言うように、まさにベテランらしく、しっかり試合を作った。そして終盤の大逆転のドラマはもたらした。

「(約半年ぶりの公式戦は?)やっぱり楽しいな、というのが一番です。生憎の天気でしたが、公式戦は練習試合とは違う雰囲気で、そのピッチに立てて『サッカーっていいな』と改めて思えました」

 36歳の藤本も途中出場から逆転弾を放つなど、大仕事をやってのけた。ベテランも、中堅も、若手も、助っ人も、全員が噛み合っての1勝。稲本は、チームとしてさらに進化を遂げられると前を向いていた。

「年齢がいっている人が活躍して、下の世代が刺激を受けて、チーム力が向上していければと思います。僕はいつでもいける準備をしておきます。今は誰が出ても同じようなサッカーができていると(三浦文丈)監督は言ってくれています。次の試合に向けて頑張っていくだけです」

 2021年3月21日、相模原が記念すべきJ2初勝利を、クラブに関わる全員の力で掴み取った。稲本はその勝利の力になれたことを、心から喜んでいた。

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[文:サカノワ編集グループ]

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