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初出場、ファーストプレー、初ゴール。金沢の宮崎幾笑が背番号10”襲名”ショー!

大宮戦でゴールを決めた宮崎(10番)を中心に金沢の歓喜の輪ができる。(C)SAKANOWA

あとはその名の通り、金沢に勝利と「幾」つもの「笑」みをもたらしたい。

[J2 5節] 山口-金沢/3月21日/みらスタ&[J2 4節] 大宮 1-1 金沢/3月17日/NACK

 4節の大宮対金沢戦、まさに電光石火の一撃だった。ツエーゲン金沢のMF宮崎幾笑(きわら)が、76分に今季初出場を果たすとファーストプレーで圧巻の”背番号10”襲名ゴールを突き刺した。

 大宮ペースで試合は進んだものの、次第に金沢にもチャンスが増え出していた。そして清原翔平と交代出場した直後、「ちょうどスペースにボールが来て、最初のプレーだったので、ここは自分が1対1を仕掛けて行こうと思った」と、宮崎は躊躇わず右サイドを駆け上がって左へ90度に方向転換してカットイン。左足を鋭く振り抜き、会心のシュートをゴールネットに突き刺した。

 宮崎にとって「途中出場から点を決めたのは初めて」だったそう。「自信になります。結果で応えたいと思っていたので、まず1点を取れて良かったです」と、彼は一歩(今季初ゴール)を踏み出せたことに安堵しつつ、勝利に導けなかったことを悔やんだ。

 アルビレックス新潟からのレンタル2年目だが、今季から背番号が15から10に変更された。クラブからの期待の表れ。そしてエースとしての自覚――。

 それだけに開幕からの3試合、出場機会を掴めず歯痒い日々を送った。

「責任もあります。自分がやらなければ、という強い気持ちもありました。このゴールが良いキッカケになればと思います。連戦が続きますし、勝点3を取れるように、今日掴んだ自信を次につなげたいです」

 まだ1ゴール。決して満足はしていない。されど、待望の1ゴール。宮崎が発した次の一言に、背番号10の矜持(プライド)が凝縮されていた。

「観る人に伝わる、目立てるようなプレーをしていきたい。そのうえで順位を上げる目標を掲げるなか、しっかり結果を残したい」

 金沢は開幕から1勝1分2敗と黒星先行になっており、さっそく踏ん張りどころを迎えている。そのなかで、新背番号10は、初出場、初ゴール、自信、信頼、そして遠路はるばる駆け付けた金沢サポーターの心……たくさんのものをわずか14分間の出場機会で掴んだ。

 あとはその名の通り、勝利とともに金沢に「幾」つもの「笑」みをもたらすだけだ。

 金沢は5節・3月21日午後3時からアウェーで好調なレノファ山口と、さらに6節・25日午後2時からホームでFC町田ゼルビアと対戦する。

取材・文:塚越 始
text by Hajime TSUKAKOSHI

Posted by 塚越始

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