【Jリーグ】突然の無観客開催決定、政府に補償を要請へ。村井チェアマンが明言
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
準備期間なく「警備員の手配、キッチンカーの準備など一斉に水泡に帰した可能性があります」。
Jリーグの臨時実行委員会が4月27日に行われ、新型コロナウイルス感染症対策のためのガイドラインの修正などを確認した。そのあとのオンラインによる記者会見で、村井満チェアマンは今回の5月11日までの4都府県への緊急事態宣言の発出を受け、公式戦11試合が無観客試合(リモートマッチ)での開催になったことに伴い、日本政府に補償を求める意向を示した。
昨季から1042試合が有観客で開催されてきたJリーグでは、一度もクラスターが起きていない。そうしたなかでの今回の23日の宣言発出、25日からの「無観客」への切り替えに対応も追われた。
「ファン・サポーターの皆様からすれば、お客様を迎えてのスタジアムが危険なものではないことを証明してくれていたわけですし、私が社会にもっと伝える力があれば、また、エビデンスやファクトを用いて関係各所に伝えていれば、もう少しストーリーは変わったのかもしれません」
村井チェアマンはそのように今回、無観客試合になった無念さを口にする。と同時に、次のように理解も示した。
「一方で、多くの人々が公共交通を活用することが、この状況下では一つのリスクであり、その意味ではサッカーだけの判断が通用しないと理解しています。最終的には無観客を政府が裁定し、それに従うことは、我々の決めたプライオリティの中では所与の条件でもあり納得はしています。頑張ってくれたファン・サポーターの皆様の期待が、結果を違えることになってしまった可能性があるだけに、今後引き続き安全な空間を作り続け、それをしっかり社会に伝え、少しでもスポーツがお客様と実現されることを望み続けていこうと考えています」
一方、Jリーグにとって、ゴールデンウィークは多くの観客動員が見込めるだけではなく、よりたくさんの人にサッカーの魅力でありクラブがある意義を感じてもらえる重要な時期にもあたる。ある意味、1年間の中でも最も大切な期間、観客を一人も迎えられなくなったのは大打撃である。昨年は試合が開催されなかっただけに、新たなファン獲得の機会を失ったままだとも言える。
そうしたなか、政府に対し経済的な面の補償を求めるかどうかについて問われた村井チェアマンは、次のように語った。
「政府にそのあたりは働きかけています。チケットの払い戻しに関わる手数料、無観客に伴う実質利益を積算し、要請していくことになると思います。23日に(宣言が)発出で25日に適用され、さまざまな方々が有観客を前提に準備し、警備員の手配、キッチンカーの準備など一斉に水泡に帰した可能性があります。こうしたことをしっかりお伝えし、説明していくつもりです」
そのように経済面の打撃を受けた点については、政府と協議していくという。これまで協力して感染症対策をしてきたNPB(プロ野球)とも歩調を合わせる可能性も示唆した。
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[文:サカノワ編集グループ]