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【名古屋】「ちょっとオフサイドになっちゃったかな」からの吉田豊決勝ゴール。VARも主審も認定“ノーファウル”

名古屋の吉田豊(2019年3月撮影)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

値千金の今季初得点。最後はC大阪のチアゴが後ろに蹴る形になり――。

[J1 13節] 名古屋 1-0 C大阪/2021年5月8日15:00/豊田スタジアム

 J1リーグ13節、名古屋グランパスのDF吉田豊がセレッソ大阪戦で今季初ゴールを決めて、これが値千金の決勝点となった。名古屋は川崎との天王山で2連敗を喫した嫌な流れをホームでしっかり断ち切り、3試合ぶりの白星を手に入れ2位の座をキープした。

 スコアレスで迎えた66分、まさにワンチャンスを逃さなかった。左サイドバックの吉田が中央に入り込んで、齋藤学にパスをあずける。そこで裏へ抜け出た吉田は、オフサイドの位置に出ていた。ところが混戦からC大阪のDFチアゴが後方に蹴るような形になったボールが、吉田の目の前にこぼれてくる。相手選手が蹴ったボールでありオフサイドにはならない。瞬間的に反応した吉田が冷静にシュートを放ち、韓国代表GKキム・ジンヒョンのニアを強烈に抜いてゴールネットを揺らしてみせた。

 副審の旗が一度は上がったが、山本雄大主審はチアゴがボールを触っていたところをチェックしていた。もちろんVAR(ビデオ・アシスタントレフェリー)も確認済の“ノーファウル”で、文句なしのゴールと認定された。

 吉田は試合後のオンラインによる取材対応で、次のように得点シーンを振り返った。

「守備が固かったので、クロスでこじ開けるのは少し難しいかなと僕のイメージでありました。そこでワンツーなどで中に潜っていくことを意識して後半に臨みました。(得点シーンは)(齋藤)学とワンツーをして、裏のスペースでもらおうと思いました。ただ学が違う選択をした時、(自分が)オフサイドポジションだったので、『ちょっとオフサイドになちゃったな』と思ったんですけど、相手のチアゴ選手でしょうか、ボールをちょっと触ったのが見えました。そこで僕の本当に目の前にボールが転がってきて、(主審の)笛も鳴っていなかったので、しっかりボールを流し込みました。それが(VARのチェックも経て)ノーオフサイドで得点につながりました」

 この数秒の間に、吉田は様々な感情的な表情&様子を見せていた。そして最後はチームメイトとともに喜びを爆発させた。

 名古屋が再び勢いをつけていく。そんな豊田スタジアムでの一発になりそうだ。

オンライン取材に応じた名古屋の吉田豊。協力:名古屋グランパス

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[文:塚越始]

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