【浦和】ユンカーが「僕たちはそのためにサッカーをしている」と実感した“幸せ”の瞬間とは?埼スタデビュー弾、仙台に勝利
仙台戦のあとオンラインによる取材に応じた浦和のキャスパー・ユンカー。協力:浦和レッズ
ホームの後押しに感謝、「望める最高と言える非常にいいスタートを切れました」。
[J1 13節] 浦和 2-0 仙台 /2021年5月9日16:03/埼玉スタジアム
浦和レッズの元U-21デンマーク代表FWキャスパー・ユンカーがベガルタ仙台戦でJ1リーグ戦デビューを果たし、さっそくホームの埼玉スタジアムのファンの前でゴールを決めた。チームはさらに阿部勇樹の直接FK弾で1点を追加し、2-0の勝利を収めてみせた。
「動きの質はさらに向上していきたいです。どこにスペースが生まれるのか、フリーになれるかを考えプレーしています。例えば今日は(得点シーンの)武藤選手にパスが入る前の段階で、そこにボールが入った時にはどこでフリーになれるかを考えていました。簡単なことではありませんが大事なことで、これからより心掛けていきたいです」
スコアレスで迎えた58分、小泉佳穂とのワンツーから武藤雄樹が前を向いてパスを放つ。これを受けたユンカーが冷静にGKヤクブ・スウォビィクの位置を見て、左足アウトサイドにかけるショットでゴールネットを揺らした。先日のルヴァンカップ柏レイソル戦(△3-3)に続く公式戦2試合連続でのゴール。しかも、いずれも値千金の先制点。まだ戦術が完全には浸透せずにいるなかでも、最も求められていた「結果=ゴール」をしっかり立て続けに残してみせた。
「大事なホームゲームで勝つことができて、いい気分です。チームとして95分間戦い切り勝利につなげられました。クリーンシートで終えられたことも良かったですね。何よりホームスタジアムでファンの方々の後押しを受けて、力をもらいながら戦えたのは嬉しかったです」
27歳のストライカーはそのように喜びを口にした。
まだチャンスが限られるなかでも、2試合連続でゴールを決めてきた。そこに“点取り屋”としての矜持も垣間見せる。
「試合によってはチャンスが多い時も、少ない時もあり、どのような状況でも改善点は常に見つけていきます。今日の得点シーンでは、武藤選手の素晴らしいアシストがあり、押し込むだけでした。FWは試合の流れに関係なく、ペナルティエリアの中にボールが来れば、点を取る準備をしなければいけないと思います。(“持っている”ようだが?)望める最高と言える非常にいいスタートを切れました。チームに加入した時には、まず戦術などを理解しないといけません。自分たちのスタイルはトレーニングの中でも良くなっていて、ランニングのパターン(走り込む形)などもこれから掴めていけるはずです」
この日は新型コロナウイルスの感染対策で、プロトコルにより4750人の来場にとどまった。それでもユンカーは埼スタでの一歩を踏み出せた興奮と勝利の味を噛みしめていた。
「ピッチを一周している時、幸せそうな表情をたくさん見かけられて、それは素晴らしいことでした。僕たちはそのためにサッカーをしていると言えますから。ファンと一体となってこれからも戦い続け、応援のお返しに勝利を届けていきたいです」
浦和の新たな背番号「7」が、さっそくサポーターとつながった。そしてその連携の先にある勝利を誓っていた。
ここから新たな歴史が始まる。そんな楽しみな予感に包まれた大きな勝利となった。
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[文:塚越始]