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【G大阪】後任監督の条件は「実績のある日本人」。宮本恒靖氏を解任、松波正信氏が当面指揮官に。今週末はホームで浦和と対戦へ

G大阪時代の宮本恒靖監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

ACLまでには新監督を招へいしたい意向。

 宮本恒靖監督との契約解除、松波正信強化アカデミー部長の当面の監督兼務を発表したJ1リーグ・ガンバ大阪の小野忠史社長、和田昌裕取締役が5月14日、オンラインによる記者会見を行い、今回の決断の理由、そして今後の方針などを語った。

 記者会見に出席したのは、小野社長、和田締役強化アカデミー担当兼普及部長の二人。和田取締役は次のように最近のチーム状況と課題を語った。

「消極的でボールを失ってはいけない、ミスを怖がったプレーが非常に多く見られました。もっとチャレンジしていけるほうがいいのではないか。そういったプレーを勇気を持って出すことで、攻撃に生かされると分析しています。そういったところは松波さんとも話しています」

 そのように積極性を取り戻すため、刺激を与える意味合いが強い監督交代劇になったということだ。また、開幕直後の新型コロナウイルス感染症によるクラスター発生で、2週間の活動休止を余儀なくされた。その時期の中断により、かなりのダメージを受けたとも明かす。

「(主力選手の)ケガもあり、コンディションの部分で選手それぞれバラバラのような状況のなか2週間の活動停止があり、その後スタートを切り、なかなかメンバーを固定できませんでした。そこは宮本監督も非常に悩んでいたところでした」

 宮本監督がチーム力を引き上げた要因の一つに、ユース出身の選手をはじめ調子の良い選手を次々と抜擢していった起用法にあった。ただ、今回はその2週間の休止を挟み、中心になるべき選手もコンディションが上がってこなかった。そして先発をなかなか固定できず、悪循環が起きてしまったとも言う。

 一方、小野社長は宮本氏はG大阪にとっては貴重な人材であり、「(13日夕方の話し合いでは)決して変な雰囲気になりませんでした。ガンバのOBとして、将来、二度目の監督も当然あると思います。まだ昨日の今日の決定であり、今後もクラブとして協力は求めていきたいです」と強調。話し合いのあと、最後は握手をして別れたとも明かした。

 そして後任監督については、「違ったチャレンジをしてほしい」(小野社長)として、コロナ禍の制限もあるなか、日本人から選定中だという。

 そのうえで、和田取締役は次のように選考の基準を語った。

「経験のある監督でないといけない。今後ACLも戦っていきます。理想はACLの経験のある監督。なおかつ、それなりの我々の現代表・元代表、海外の選手がいるなか、そういった選手をしっかり同じ方向に向かわせて、方針を示してチーム作りのできる、そんな監督を求めています」

 クラブとしてのビジョンがやや感じられず、日本の“名門クラブ”にありがちなこうした状況下での『日本での実績重視』という方針を示しているのは気になるところではある。とはいえ、もちろんG大阪はタレントが揃うだけに、一つ噛み合えば、一気に上昇していけるだけのポテンシャルを兼ね備えているが――。

 G大阪は現在、1勝4分5敗(3得点・9失点)で20チーム中18位と降格圏内に低迷している。16日にはホームのパナスタで浦和レッズと対戦する。

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