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【U-24日本代表】上田綺世が語った伊藤翔とエヴェラウド。三笘薫とのホットラインからの一発、「ゴールへの最短距離」の共有に手応え

U-24日本代表の上田綺世。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

幅を広げ、選択肢を増やし、瞬間的に出たショット。

[国際親善試合] U-24日本代表 4-0 ジャマイカ代表/2021年6月12日/豊田スタジアム

 U-24日本代表のFW上田綺世がジャマイカ代表戦のあとオンラインによる取材に応じて、三笘薫の圧巻のドリブル突破からの縦のスルーパスに抜け出して決めたループシュート、そして東京五輪への思いを語った。

 上田は後半開始から出場。すると2-0と日本のリードで迎えた57分だった。

 三笘が自陣からドリブルで持ち上がりカウンターを発動させる。二人が縦に並ぶと、上田はついていたDFの視点が外れた瞬間に走り出す。すると、その足元へ極上のスルーパスが渡る。

 東京オリンピックのエース候補である上田はGKの動きを見極めて、ループシュートを選択。三笘が作り出したスピードを一瞬で殺し、まさにあっと驚かせる予想外の弧を描くショットをゴールネットに沈めた。

「薫のドリブルは予想できないことが多いんですけれど、1枚はがしてきて、さらにもう1枚はがしてしまうこともある。あの動き出しは独特と言いますか、あまり少なかった形のものを出せました。薫くんがタテに並んでまっすぐ走り、スペースに流してくれた。薫くんだからこそできる動き出しだったかなと思います」

 ユニバ代表でもプレーしてきた二人だが、「ゴールに直結する動きをして、自分が一番受けやすい、得点につながりやすいポイントを選べる、それが薫くんだと思います」と、互いに“ゴールへの最短距離”を共有できたことに手応えを得ていた。

 そしてループシュートは「顔を上げた時、キーパーが出てきているのが分かり、突っ込んでこないと分かり、その逆を取れればと思いました。もしも突っ込んできたら抜くか、外にワンタッチして打とうとしましたが、やや止まってくれたので、ループを選択しました」。

 簡単なゴールは一つもないと言う。いくつもの選択肢を用意したなかから、最良の手を瞬時に選ぶ。その選択肢はプロとして増えていくなか「ループ」という閃きにつながり、上田は自分でもプラスに捉えていた。

「一つ違う形のシュートを作れるとFWとしての魅力は全く違ってきます。それこそ伊藤翔くん(元・鹿島、現・横浜FC)やエヴェラウド、チームでもいろんな選手からいろんなものを盗もうとやっています。そこで僕の中ではなかった『ループ』という選択肢を、少しずつ取り出せるようになってきたのかなと思います」

 そしてこの試合、東京オリンピックのメンバー発表前、最後の一戦という位置付けだった。そんなサバイバルで「結果=ゴール」を残せたことについて問われると、上田は自身の考えを口にした。

「『メンバーがライバルになりますが』という話をよくされますが、まず僕たちは選手なので一つのチームに属し、そのチームの1ポジションを担って試合に出ています。そこの争いはありますが、まず試合に臨む形は、代表でも、五輪でも、選考の試合でも、クラブでも、本質は変わりません。

 今日であればあのタイミングでゴールを奪えて良かったですが、もっともっとチャンスを作らないといけなかった。2点目も取りに行きたったし、そこは個人的な課題にもなります」

 基本的なスタンスは変わらない。まさに日々の積み重ね。そこには色々な出会いもある。そんなあらゆる要素の詰まった上田の見事なループ弾だった。

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[文:サカノワ編集グループ]

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