【浦和】江坂任の名前もあったリカルド監督『獲れたらいいなリスト』。”非現実的”で西野TDも「無理だと思っていた」
浦和への加入が決まった江坂任。(C)URAWA REDS/写真提供:浦和レッズ
江坂、西野TDがオンラインで記者会見。
J1リーグ浦和レッズへの加入が決定したMF江坂任が6月25日、オンラインによる記者会見を行い、移籍の経緯を語るとともに新天地での決意を示した。また西野努テクニカルダイレクターも今回の江坂獲得の背景などを語った。そこでリカルド・ロドリゲス監督の『こんな選手を獲れたらいいなリスト』があり、そこに江坂の名前も入っていたと明かされた。
江坂はさっそくこの日から練習に合流。「すごくいい雰囲気で、うまく溶け込めました」と、すぐに好感触を得ていた。選手登録は7月16日とまだ先になるが、リカルドスタイルへの浸透を図っていく。
柏では背番号10をつけ、3月には日本代表デビューを果たした29歳のミッドフィルダーは、「浦和レッズのため、勝利のため全力で貢献していきたい」と決意を示した。クラブが様々な情報を収集するなか、この夏のタイミングで江坂を獲得できる可能性が浮上。今月に入って話を進めていくなか、『浦和行き』が実現した。
江坂は強い意欲を示す。
「リカルド監督のサッカーを理解して、しっかり自分の特長を出したいです。レッズの掲げているタイトル獲得のため、自分の力を出せると思っています。(この時期での決断について)浦和レッズのサッカー、リカルドのビジョンにすごく魅力を感じ、1日も早く合流してしっかり馴染んでプレーしたいと思い、このタイミングになりました」
また、西野TDによると、小泉佳穂が現在不動のトップ下としているものの、柏木陽介の退団によって“ゴールをも奪えるゲームメーカータイプ”の厚みを加えたいと考えていたという。そして補強するうえでの議論の叩き台となるリカルド・ロドリゲス監督の『こんな選手を獲れたらいいなリスト』があることが明かされた。しかも、そこに江坂の名前も載っていたそうだ。
「出てきた情報、まだ出回っていない情報などを素早くキャッチし、それに対し、議論をしたうえで、素早い判断が求められました。また、もともとリカルド監督が来た時から、こんなタレントを欲しているんだなと共有する意味での『こんな選手を獲れたらいいね』と言えるリストがありました。ただ、それは非現実的な名前がほとんどです。実はその中に江坂選手の名前もありました」
そして今回、強化部が江坂の情報を収集。契約を結ぶことに成功した。
「当初は『獲れるはずがない』と言える環境でした。しかし、そういった獲れるはずがない、という選手であっても、日常的に情報を収集しています。その中で、突然、獲れるかもしれないといった時、できるだけ早く決断して、アクションを起こしました。組織としてのパフォーマンスの結果が、獲得につながったと、それはすごく嬉しく思っています」
繰り返された強化の失敗を糧に浦和は「強いフロント」にしていくと方針を掲げてきた。西野TDは「日本一、アジア一を目指す視点で、選手だけではなく、監督・コーチ、スタッフ、フロントを強化することは継続してきました。そういったところが上手く機能し始めているのではないかと、手前味噌かもしれませんが、今回とても感じています」と、クラブ全体の“連携”が結実して、江坂獲得を実現できたことを喜んでいた。
注目記事:日本人選手の市場価格トップ20。3位久保建英、2位冨安健洋、1位は…。Jリーグ勢最高は21位
[文:塚越始]