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【U-24代表】森保監督が見守った居残り練習、その視線の先にいたのは――。そしてメモ帳を取り出した│ホンジュラス戦・現地取材

U-24日本代表の大迫敬介(左)、鈴木彩艶(右)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

ヨドコウ桜スタジアム、メインスタジアム寄りのハーフライン付近で。

[キリンチャレンジカップ2021] U-24日本代表 3-1 U-24ホンジュラス代表/2021年7月12日19:30/ヨドコウ桜スタジアム

 東京オリンピック開幕を目前に控えてヨドコウ桜スタジアムで組まれた出場国同士によるキリンチャレンジカップのU-24日本代表対U-24ホンジュラス戦、日本が堂安律の2ゴール、吉田麻也の1得点で3-1の勝利を収めた。

 その試合後だった。

 会場を利用できるギリギリまで時間を有効活用しようと、この日も居残り練習が行われた。パリオリンピック世代にあたるトレーニングパートナー6人と、この日、控えゴールキーパーだった大迫敬介と鈴木彩艶らが参加し、20分ほど集中して汗を流した。

 新型コロナウイルス感染症対策で「まん延防止措置」地区に大阪府が指定されているため、来場者数は4063人に制限された。そして試合が終わっても残っていたファンの前で、“公開練習”のように行われた。

 ペナルティエリア内の複数箇所から斜めに入れたボールを、シュート&セービングするというメニュー。エネルギーが十分あり余る若手選手たちが次々とボレーやヘッドで好シュートを放ち、改めて集中力を高めた五輪代表の大迫、鈴木も好セーブで応える。

 大阪のファンからは、ナイスゴールにも、ファインセーブにも、どちらにも温かい拍手が送られていた。どちらかというと、ファインセーブへの“反応”のほうが大きかった。

 そしてメインスタンド寄りのハーフライン付近では、その様子をじっと見守る一人のスーツ姿があった。

 日本の森保一監督だった。

 その視線の先――勢いのよくあらゆる態勢からシュートを繰り出す武田英寿、成岡輝瑠、櫻川ソロモンらとともに、(どちらかというと)ゴールキーパーの二人をチェックしているようだった。

 川口能活GKコーチを中心とした本気モードの短時間集中トレーニングは、やはり日本を代表するタレントが揃っているのだと強く実感するレベルの高さがあり、スタンドまで熱気も伝わってくる。

 その様子を、現場を司る指揮官も一緒に真剣に見ていた。

 すると――森保監督はスーツのポケットからメモ帳を取り出したのだ。何かしらの発見があったのか。

 ただ、ちょうどそのタイミングで、U-24ホンジュラス代表のミゲル・ファレロ監督のオンラインによる記者会見が終わり、森保監督にバトンタッチする時間が来る。

 なので……実際にメモを取っていたかどうかまでは確認できなかった。

 森保監督はその記者会見でホンジュラス戦について、「疲労が出た時でも攻撃のクオリティを上げて、ゲームを少しでもコントロールできるようにしていきたい。後半ボールロストしたあとに粘り強い守備をして失点しないことを課題にしたいです」と課題を語っていた。

 最初のピークはあくまでも五輪本番に迎えられるように。そのために全員のコンディションを上げることに重点を置くと言う。

 日本はこのあと17日にノエビアスタジアム神戸で、U-24スペイン代表と再びキリンチャレンジカップで対戦。そして22日に東京スタジアムでの東京五輪GS初戦・南アフリカ戦(20:00@東京スタジアム)に臨む。

 森保監督はチーム全員を必要としている。その姿勢を物語るように、22人+トレーニングパートナー6人の計28人をつぶさに見つめていた。指揮官の大切にする「情」と「熱」がそれぞれ垣間見えた、試合後の一コマだった。

ヨドコウ桜スタジアム。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

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[取材・文:塚越始]

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