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【U-24代表】近づく上田綺世の完全復活。照準は東京五輪本番「自分が何を残すかが重要に」

上田綺世。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

あとはピッチに立つ俺を見てくれ――。そんな決意が滲んでいた。

 U-24日本代表の上田綺世(鹿島アントラーズ)が7月15日、オンラインによるメディア取材に応じた。これまでリハビリを続けてきて、8日の大学生との練習試合、12日のU-24ホンジュラス代表戦は出場していない。

 日本のエースストライカー候補が、現在の状態と心境を語った。

「(東京五輪代表チームに)選んでいただいて、ケガをしている立場でリハビリにトライさせてもらい、自分が何を残さなければいけないかが重要だと思っています。僕が試合に出たいというだけではない、もちろん出たいですが、リハビリの別メニューをやらせてもらいながら、すごく感謝しています。そういった思いを一戦目からいいパフォーマンスにつなげられるように準備していくだけです」

 周囲のサポートに感謝しながら、22日の南アフリカ代表との東京五輪初戦を見据える。上田自身はすでに照準を定めているだけに泰然とし、特段焦りのようなものはないと言う。

「リハビリをして『本大会に合わせよう』という話をもらった時から、心境は特に変わっていません。その時から本選に出るつもりでいました。初戦(南アフリカ代表戦)に向けて、より早くチームに加われるようにメディカルスタッフと話し合ってきました。これまでにも経験してきたことがあり、感覚的なものはすぐ取り戻せます」

 また、林大地、前田大然とのFW3人について話が及ぶと、次のように言った。

「(代表チームに)呼ばれている以上は、それぞれに大きな武器があり、(ホンジュラス戦では)林大地らしさを出して、体も強く腕も強く、そこはこの間の試合でも感じました。そういった特長を試合で出すところは、大地くんも、(前田)大然くんもすごくあります。それは刺激になっています。選ばれている以上、見ている人を充実させる力はあると思っています」

 この世代のチームが発足した時からチームに参戦してきた数少ない一人である。当時は法政大学のサッカー部員だったが、現在は鹿島の最前線をけん引する存在に。そして日本を金メダルへと導くキーマンとなる。上田がゴールに絡めば絡むほど、その目標達成は現実味を増す。

 22歳のストライカーは試合本番、そのパフォーマンスにあらゆる思いを込めたいと誓う。

「このチームの活動には一番長く参加し、選ばれなかったりケガをしてしまった選手の気持ちを背負うという表現でいいのか、自分が選ばれたからには、これまで積み重ねてきたことを出したい。選ばれて試合に出る、という責任があり、それを表現していきたいです」

 あとはピッチに立つ俺を見てくれ――。そんな決意が滲んでいた。

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[文:サカノワ編集グループ]