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【金メダリストの声 #4】大橋悠依「楽しさもあり、冷静さもあり、すごく自分らしさを出せた」│東京五輪競泳200・400m個人メドレー

2冠達成の大橋悠依。 (Photo by Tom Pennington/Getty Images)

200mバタフライ銀メダルの本田灯「とても嬉しい状態」。平井HCはネットの誹謗中傷に見解、大橋の推しの一曲は嵐の――。

 東京オリンピックの競泳で、200メートル・400メートルの個人メドレーで金メダルを獲得した大橋悠依、200メートルバタフライ銀メダルの本田灯、平井伯昌ヘッドコーチが8月2日、オリンピック・パラリンピック大会組織委員会主催の記者会見に臨み、メダル獲得の喜びなどを語った。

――メダル獲得の心境を改めて。

大橋「200メートルも400メートルもメダルは目指していましたが、まだ二つとも金メダルを獲れた実感がなく、すごく不思議な気持ちの中にいます」

本田「自分は銀メダルを獲れて、とても嬉しい状態です」

平井「チームの目標として、複数の金メダルを掲げ、その点に関して達成できて大変安心しています。ただ今回メダル数は決められなかったのですが、全員決勝進出というもう一つの目標はまったく遠いものとなりました。達成できて安心しているのと、チーム目標が全然到達せず反省している、その両方の気持ちがあります」

――自身のレース映像を見て思うことは?

大橋「レースの映像は何回も見ていますが、今回良かったのは、ターンの前にタッチで合わなそうだったら伸びるようにと平井先生から言われていて、そういうところがすごく冷静にできていたなと振り返ってみても思います」

本田「1位の選手と比べてすごく差があり、前半も後半もすべての面で負けていて、そこの悔しさが出てきました。逆にいいところもあり、後半の伸びがすごく今まで以上で、そこはいい泳ぎができたと思います」

――レース後に大橋選手が平井コーチにメダルをかけられたそうだが、その時の心境は?

平井「オリンピックまで決して平たんな道のりではありませんでした。大橋悠依も金メダルを獲ろうとずっと努力してきて、途中で目標を達成できないと思ったこともありました。しかし続けてきたことが、金メダルという最高の形に終わり、万感の気持ちでした。おめでとう頑張ったね、という話をしましたが、同時に自分へも言っている気持ちでした」

――パリ五輪のことは考えているか。

大橋「先のことはまだ考えていなくて、来年、福岡で開催される世界水泳を目指しています。パリのことまではまだ考えていません」

本多「1位の選手と差が開いていたので、3年後は熱いレースができるように、今回以上に沸かせられるレースをしたいです」

――選手へのインターネットでの誹謗中傷について。

平井「競泳チームでは今のところ、そのようなことは聞いていません。例えば大橋選手は400メートルから200メートルに向かう時、相当に集中できていました。コーチ、スタッフを含め、戦っているのは目の前の現実です。インターネットやSNSの世界のほうに神経を使いすぎますと仮に誹謗中傷ではなくても、ニュースへの書き込みに過敏に反応して、誹謗中傷と捉えることがあると思います。アスリートに限らない話ですが、現実の目の前のことに向けて、進んでいくことが大事ではないかと思います」

――一時期、泳ぐ楽しさ失った、ということでしたが、それは取り戻せましたか?

「始まるまでは、こんなに楽しいオリンピックになるとは思っていませんでした。楽しさもあり、冷静さもあり、すごく自分らしさを出せたレースでした。リオ五輪に出られず、この5年間、苦しいことがたくさんありましたが、本当にすべてが生きたレースだと感じることができました」

――地元・滋賀県の環境について。

大橋「滋賀県では現在50メートルの長水路のプールを作っています。これまで長水路が一つしかなく環境では恵まれていないのかもしれません。ただ、私はそこで強くなれると思っていました。環境に恵まれていない、という水泳やスポーツの選手がいたら、やってやるぞ、となれる気持ちを届けられればと思います」

――大橋選手はジャニーズファンということで話題ですが、励まされた曲はありますか?

「大会に入ってからも曲は聞いていました。ただ1曲ではないのですが……。挙げるならば嵐の『ただいま』という曲で、その最初の大野(智)くんのソロパートの歌詞は自分と照らし合わせて、心にぐっとくるものがありました」

――◇――◆――◇――
サカノワでは東京オリンピック期間、特別に東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が主催する日本代表選手団の金メダリスト記者会見の模様をお伝えします。この2週間、サッカーの輪を、スポーツの輪へ広げて――。

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