エントリー問題、福島が没収試合「八戸戦0-3」。山形、水戸「けん責」。Jリーグが懲罰…浦和の事案を受け調査
写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
福島は2-0勝利が敗戦扱いに。山形は選手がベンチ入りも出場せず、水戸はスタッフが対象のため。
Jリーグは8月19日、新型コロナウイルスの検査報告ミスによる選手・スタッフのエントリー問題について、福島ユナイテッドFCについて8節・ヴァンラーレ八戸戦を「0-3敗戦扱い」の没収試合にするとともにけん責処分を下すと発表した。福島はこの試合、2-0の勝利を収めていた。
また、モンテディオ山形は対象選手がベンチ入りしたものの出場しなかったとして、水戸ホーリーホックはスタッフが対象であるため、「けん責」の処分が科された。浦和レッズの事案を受け、Jリーグは方針を改め、過去の試合についても調査を行ってきた。
【福島ユナイテッドFC】
◆5月16日に郡山西部サッカー場にて開催された、J3リーグ8節 福島ユナイテッドFC対ヴァンラーレ八戸で、福島ユナイテッドFCが指定公式検査において陰性判定を得ていない選手を試合に出場させた。
◆懲罰内容 ・けん責 ・本件試合につき得点を「0-3」負け試合扱いとする
※個人記録は変更しない
◆懲罰理由
Jリーグの公式戦にエントリーするためには「指定公式検査において陰性判定を得ていること」が求められているが、福島は、指定公式検査において陰性判定を得ていない選手を試合に出場させた。
これは出場資格の無い選手を不正出場させたものであり、JFA懲罰規程の懲罰基準「出場資格の無い選手の公式試合への不正出場(未遂を含む)」に該当する。
一方、クラブが「エントリー資格認定委員会」への申請を欠いていたことについて悪意はなく、手続き上のミスであったこと、選手は保健所によるコロナ関連の検査、自主的な抗原検査を実施していることなどから酌量すべき事情があると考えられる。
そのため、対象試合は得点を「0-3」として負け試合扱いの処分を科す。「出場した選手」への処分は行わず、「出場させた者」にあたる同クラブに対し、けん責処分を科す。
【モンテディオ山形】
◆対象事案
2021年4月17日にソユースタジアムにて開催された、J2リーグ8節ブラウブリッツ秋田対モンテディオ山形戦、山形が指定公式検査において陰性判定を得ていない選手を試合にエントリーさせた。
◆懲罰内容
・けん責
◆懲罰理由
山形は、指定公式検査において陰性判定を得ていない選手をエントリーさせた。しかし同選手は試合に出場していないことから、「出場資格のない選手の公式試合への不正出場(未遂を含む)」には該当せず、同懲罰規程に該当条文がないため、チームまたは選手などによる「その他の違反行為」に該当するものと判断。
一方、同クラブがエントリー資格認定委員会への申請を欠いていたことについて悪意はなく、手続き上のミスであったこと、同選手は同クラブが独自でコロナ関連の検査を実施していることなどから酌量すべき事情があると考えられる。
以上により、同クラブに対し、けん責処分が科された。
【水戸ホーリーホック】
◆対象事案 2021年4月11日にケーズデンキスタジアム水戸にて開催された、J2リーグ7節の水戸ホーリーホック対FC琉球戦で、水戸が指定公式検査において陰性判定を得ていないスタッフを試合にエントリーさせた。
◆懲罰内容
・けん責
◆懲罰理由
山形の理由と同じく、「出場資格のない選手の公式試合への不正出場(未遂を含む)」に該当せず、スタッフに関する条文がないため、懲罰基準「チーム又は選手等によるその他の違反行為 」に該当すると判断。JFA懲罰規程第4条に定める各懲罰のうち適切と判断される懲罰として、クラブに「けん責」処分を科した。
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[文:サカノワ編集グループ]